2016.11.11

『ハリケーン』(ジョン・フォード)

ハリケーン ポスター

前半に繰り返される執念の脱獄劇も悪くないし、赤ん坊が生まれるくだりなんてまさにジョン・フォード節炸裂だけど(『駅馬車』と同じく医者はトーマス・ミッチェル!)、クライマックスのハリケーンの描写が驚異的。

ハリケーン ジョン・フォード

1937年の映画なのに、あの『イントゥ・ザ・ストーム』よりも凄い。



[原題]The Hurricane
1937/アメリカ/103分
[監督]ジョン・フォード
[音楽]アルフレッド・ニューマン
[出演]ドロシー・ラムーア/ジョン・ホール/メアリー・アスター/C・オーブリー・スミス/トーマス・ミッチェル/レイモンド・マッセイ/ジョン・キャラダイン

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【関連記事】
『イントゥ・ザ・ストーム』(スティーブン・クォーレ)

 

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2016.10.23

『続・夕陽のガンマン/地獄の決斗』(セルジオ・レオーネ)

続・夕陽のガンマン

『夕陽のガンマン』に続いて2本目のマカロニウエスタンです。

すぐに殺されてしまう雑魚キャラの濃すぎる顔のアップで始まるオープニングから、ほとんど女性が出てこない、熱くて、渋くて、濃くて、痺れる男の世界。

そして、前作ではリー・ヴァン・クリーフが圧倒的な存在感でイーストウッドを喰っていましたが、今回は断然イーライ・ウォラック!

続・夕陽のガンマン イーライ・ウォラック クリント・イーストウッド

まずはなんといってもインパクトありすぎの顔。

そして、銃の店で値切っていると思ったら店員が値を釣り上げていって実は脅迫していたり、砂漠を行く時馬につけた日傘がなぜかピンクだったり(笑)

数千というお墓が立ち並ぶ墓場を駆け回るシーンの疾走感!

イーストウッドとのコメディといってしまっていいほどの掛け合い。

さらに、兄との再会のシーンでは泣かせてもくれます。

それでも、この映画はやっぱりなんといってもラストの三角決闘でしょう。

早撃ちは一対一でも痺れますが、遠く離れた三角形に位置取っての闘い。

続・夕陽のガンマン 三角決闘

エンニオ・モリコーネのかっこよすぎる音楽をバックに、これでもかというくらい引っ張ります。
思わず“早く抜かんかい!”と突っ込みたくなりそうになってからもさらに引っ張ります(笑)
この引っ張り具合が最高!!

引っ張るだけ引っ張っておいて、いざ勝負が決まる刹那。
この伝説の決闘シーンはもはや芸術。

原題の通り、“善玉”vs“悪玉”vs“卑劣漢”の20万ドルを賭けた漢の闘い。

そして、“卑劣漢”イーライ・ウォラックの魂の叫び、「お前は善玉なんかじゃねえ!」
くぅ~!!

前作『夕陽のガンマン』を傑作と書きましたが、さらにその上をいきます。
文句なしの傑作。



以下はネタバレを含むちょっとしたおまけ。未見の方はご覧になってから読まれることをお薦めします。











本編の三角決闘では、イーライ・ウォラックの弾は事前に抜かれていて、イーストウッドはリー・ヴァン・クリーフだけマークしていればよかったわけですが、仮に3人ともに弾がちゃんと入っていて条件が完全に互角だったらどうなったか、お遊びで考えてみました(笑)
以下名称は次のように略。
善=イーストウッド
悪=リー・ヴァン・クリーフ
卑=イーライ・ウォラック

~予想~
・善は悪の方が卑より手強いと思ってるから悪→卑の順で狙う。
・悪も同じように善の方が卑より手強いと思ってるから善→卑の順で狙う。
・でも善の方が悪より早いから悪は1発も撃てずに死亡。
・卑はとにかく善が憎くてしょうがないから善→悪の順で狙う。
・卑の腕もかなりのものなので善の2発目よりは卑の1発目の方が早い。よって善死亡。

生き残るのはイーライ・ウォラック!(笑)
どうでしょう?

(2005.2.6)

~2016.10.23 劇場鑑賞時の感想~
映画館では初。

映画の面白さは今さら書くこともないけど、家で観るのと何が違うって、ただでさえ超がつくクローズアップで顔全体も映らない役者たちの顔が、さらにとてつもない大きさに!

セルジオ・レオーネは他の監督以上に、映画館で観るとほんと別次元だよなぁ。

20万ドルの金貨を巡る話がメインではあるけど、南北戦争の背景がかなり効いていて、戦闘シーンも気合入りまくり。

すぐ死ぬチョイ役のどアップから映画が始まるように、とにかく顔顔顔の映画だけど、橋の爆破を見届けた大尉の表情は何回観ても涙なしでは観れない。



Apple Musicでサントラを聴く♪


[原題]Il Buono, il brutto, il cattivo
1966/イタリア/161分
[監督]セルジオ・レオーネ
[音楽]エンニオ・モリコーネ
[出演]クリント・イーストウッド/イーライ・ウォラック/リー・ヴァン・クリーフ

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2016.08.28

『ブリーダー』(ニコラス・ウィンディング・レフン)

ブリーダー

ニコラス・ウィンディング・レフン監督第2作。

前作『プッシャー』に続いて主演はキム・ボドゥニアで、同棲中の彼女の妊娠にどう対応していいかわからず、どんどんイライラが募っていき、最悪な展開へと突き進んでいく男の話。

ですが、今回も美味しい役はマッツ・ミケルセン!役柄がまずビデオ屋の店員。この時点でもう間違いない(笑)

ブリーダー マッツ・ミケルセン

1999年の映画なので、DVDも普及し始めている頃ですが、店の棚には、ひたすらVHS!
1階はジャンル別に分かれいて、2階には監督別のコーナーがあり、客相手にどんな監督が置いてあるのかのマシンガントークが始まります。

とんでもない数の監督名を挙げるのでとてもここでは書ききれませんが、最初の5人だけ挙げておきましょう。
フリッツ・ラング、セルジオ・レオーネ、マーティン・スコセッシ、セルジオ・コルブッチ、ジョージ・A・ロメロ。
間違いなさすぎる!(笑)こんなビデオ屋が近くにあったら毎日でも通いたい。

でも、せっかく店の素晴らしい品揃えを力説したのに、客が観たかったのはアダルトビデオだった!(爆)

そんな彼なので、頭の中には映画のことしかなく、店を閉めた後も、ひたすら自分の家で映画を観ます。
部屋に大量に貼ってあるポスターの中には、定番のブルース・リーや『マッドマックス』。

ブリーダー マッツ・ミケルセン

主人公との会話も、スティーヴン・セガールとフレッド・ウィリアムソンはどちらが凄いか、そんなのばっかり(笑)

ふとしたことで知り合った女性、でも、相変わらず彼の頭の中には映画のことしかないので、会話も当然その方向に。
好きな映画は?と聞かれて即答したのが『悪魔のいけにえ』、これまた完璧な答え(笑)

映画をあまり観なさそうな彼女がそんな映画を知るはずもなく、そんな映画知らないわと一蹴。

それならと、ブルース・リーって知ってる?と振るも、誰それ?とまたもや一蹴。

まじかよ!と苦笑いを浮かべながら、出した次の手が『ワイルド・アット・ハート』。
これは映画は観ていなかったものの、本の方を読んでいた彼女、なんとか繋がる会話(笑)

実は男の映画マニアぶりに負けないくらい、彼女は大変な読書家で、彼女が通っている本屋がまた凄い。
本棚にはとても収まり切らず、ゴミの山のように店中に溢れる本、本、本。

ブリーダー ニコラス・ウィンディング・レフン

地下室も同じように無数にある本。
地下室の雰囲気はまさにDJ Shadowの「Midnight In A Perfect World」の世界。

ブリーダー ニコラス・ウィンディング・レフン

そんな彼女をなんとかデートに誘い(他には何も思いつかないので当然映画デート)、彼女はちゃんと来てくれたのに、映画館の前で待つ彼女を遠目に見ながら、結局立ち去ってしまう男。

映画館の前にかけられていたポスターは『恋する惑星』に『タンゴ・レッスン』!
せっかくちゃんと映画のセレクトも考えたのに!(笑)

ブリーダー ニコラス・ウィンディング・レフン

その後、主人公は破滅への道を進んでいきますが、ビデオ屋店員の日常は今日も変らない。
同僚に、世の中には映画以外のこともあるんだぞ!たまには他のことも考えたらどうなんだと言われる始末。

しかし、あることがあって、このままではいけないと思った男は、再び先ほどの彼女を映画デートに誘います。
ここで選んだ1本が泣けますが、それは観てのお楽しみということで。

脚本もニコラス・ウィンディング・レフン監督自身なので、ビデオ屋店員は監督の分身であり、出てくる映画や監督名も自らの好みなんでしょうね。
監督の好みを知るという意味でも、必見です。

(2012.7.12)

~2016.8.28 追記~
『ブリーダー』観ます。 (@ 中川コロナシネマワールド in Nagoya-shi, Aichi) https://www.swarmapp.com/c/6VIJp2zKZW7 https://pic.twitter.com/kASiv8vw5R

日本語字幕付で観るのも映画館で観るのも初めてだったけど、やはりレフンベストの地位は揺るぎない。わざわざ追いかけていったのに、会話が続かなくてすぐに退散してしまって、でもようやく少し話せて嬉しくてたまらなくてにやけ顔になってしまうマッツ・ミケルセンが何回観ても最高w

ニコラス・ウィンディング・レフン監督×マッツ・ミケルセン主演『ブリーダー』、以前輸入盤DVDで観た時の感想も改めてUPしておきます。 http://bit.ly/MmHw5d

『ブリーダー』は映画好きにとっても最高の映画だけど、この本屋もたまらないんだよなぁ。DJ Shadow「Midnight In A Perfect World」のレコ屋の本屋バージョン。 https://pic.twitter.com/x9GYfDTmxT



[原題]Bleeder
1999/デンマーク/98分
[監督・脚本]ニコラス・ウィンディング・レフン
[出演]キム・ボドゥニア/マッツ・ミケルセン/ズラッコ・ブリック/リヴ・コーフィックセン

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『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフン監督の未公開作『ブリーダー』『Fear X』の上映が決定!

 

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2016.08.13

『最後の弾丸』(マイケル・パティンソン)

>最後の弾丸

昭和20年7月、ボルネオのジャングルで生き残った敵同士の二人の男。

一騎討ちになるまでの、汗と泥と虫にまみれた『山猫は眠らない』描写もたまらないけど、残弾1発と2発になってからが最高。

“最後の弾丸”を誰のために使うのか、からのラストシーン。

あんなの泣くに決まってるわ!



1994/日本・オーストラリア/90分
[監督]マイケル・パティンソン
[原作]柘植久慶『最後の遭遇』
[出演]玉置浩二/ジェイソン・ドノヴァン/井川比佐志/白島靖代/冷泉公裕/若林久弥/室山和裕/ダニエル・リグネイ/室田日出男/チャールズ・ティングウェル/ベス・チャンピオン

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『山猫は眠らない』(ルイス・ロッサ)

 

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2016.07.24

『大樹は風を招く』(フランク・ホイ/ジェヴォンズ・アウ/ヴィッキー・ウォン)

樹大招風

1997年香港、時代に取り残されようとしている三人の名高い凶悪犯の邂逅。

設定は面白いし、クライマックスはかなりぐっとくる。

でも、全編に渡ってトーさんならOK出さないだろこれという演技が続き、新人監督3人による共同監督という限界か。

雪ちゃんの活躍があまりないのも残念…。

『荒らし』に続いて、フィリップ・キョン好きは必見。

樹大招風 (2016) (Blu-ray) (香港版)樹大招風 (2016) (Blu-ray) (香港版)
Panorama 2016-06-24


[原題]樹大招風
2016/香港/97分
[監督]フランク・ホイ/ジェヴォンズ・アウ/ヴィッキー・ウォン
[製作]ジョニー・トー/ヤウ・ナイホイ
[出演]ラム・カートン/リッチー・レン/ジョーダン・チャン/フィリップ・キョン/ラム・シュー/ション・シンシン

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