2002.10.09

No.51 世界最高峰の戦い

今回の話題は、ついにやってきた大注目の試合、第2節の残り47分ベティスvsマドリー。

残りをLIVEで放送する前に、まずは前半をVTRで放送しましたが、これについてはすでに結果もわかっていることなので長々とは書きませんが、一つだけ触れたいのは、当ブログでもFKが必見と紹介しましたマルコス・アスンソンがまたまた魅せてくれた必殺技について。

彼の必殺技は、言わずと知れたFK。「フォルハ・セカ」(ポルトガル語で“枯れ葉のように舞う”という意味)と呼ばれる魔球です。

しかし、今回の必殺技は「フォルハ・セカ」ではありません。右サイドから上がったセンタリングに飛び込んだアスンソン、体は前に投げ出しながらヒールでひっかけてのシュート、その名も「スコーピオン」。見た目がさそりに似ていることから命名されたというそのままの名前ですが、十分に“必殺技”と呼べるもの。「スカイラブ・ハリケーン」とまではいきませんが、十分に漫画レベルなアクロバティックな技。

繊細なボールタッチ、ワンタッチでの味方へのパスの供給、そして体を張った守備と、基本的なプレーでも最高級のレベルのアスンソンですが、FKといいこういうアクロバティックなプレーといい、ほんとに最高に楽しませてくれる選手です。何らかの形でこの試合を見ることのできる方は、ぜひ「スコーピオン」ご覧になってみてください。
「スコーピオン」については金子さんが紹介してくださっていましたが、そこですかさず「さそりといえば長州力」とおっしゃった倉敷さんはさすがでした(笑)

そして、いよいよリアルタイムでの残り時間。試合に入る前に、いろんな意味でおいおいっていうことがいくつか。
まずは、前回と審判が違うということ。前半と後半で審判が違うなんてことがあっていいわけがありませんが、前回の審判はどうやら怪我をしていてどうしようもないようです。
そして、ピッチの上にはロナウドが…。前回の時にはベンチにすら入っていなかったわけで、明らかに反則のように思われますが、スペインはここらへんはいい加減なようで何の問題もないようです(笑)

いよいよレフリーボールで試合再開。
いきなり、ベティスがゴール前やや距離があるところでFKのチャンス。キッカーはもちろんマルコス・アスンソン。アスンソン、直接狙うと見せかけて一端グラウンダーで前線の味方にパス、そして味方が優しくリターンしたところを強烈なシュート!惜しくも右に外れました。

しかし、マドリーも負けていません。直後に一気に攻め込むとジダンがフリーでこれまた強烈なシュート!
しかし、これはベティスの守護神プラッツがアンビリーバボーなセーブでわずかに手に当て、ボールはバーを直撃。

あっという間に2分が経過し、前半は終了。たった2分にも関わらずお互いに決定機を作ってしまいました。早くも最高の試合になる予感は十分。
何しろ、47分しか試合時間がないわけで、体力のことを考えなくていいからか、お互いに普段と勢いがまったく違います。プレスのかけ方、ボールへのアタックの勢い、こんなの90分やったら体がいくつあっても足りないというレベルの動きをお互いにやるわけですから、見ているほうとしてはこれほど楽しい試合はありません。

そのままハーフタイムを取ることなく、すぐにサイドを入れ替えて後半がスタート。
後半立ち上がりは、マドリーが猛攻。ベティスは相変わらず前線から素晴らしいプレッシャーをかけるものの、マドリーのテクニックの方がわずかに上回り、並みのチームならあっという間にボールを奪われそうなプレッシャーにも関わらず、余裕とまではいかないものの普通にボールを回してしまいます。

後半6分、ゴール前でベティスDFが重なってしまったところをラウールが難なく決めてマドリーが同点に追いつきました。
その後、プラッツが判断ミスで飛び出してしまったところをロナウドが浮かして無人のゴールにシュートしましたが、これは惜しくも右に外れてしまいました。

しかし、マドリーが押していたのも後半の最初の10分くらいで、凄まじかったのはここからでした。
なんと、マドリーが自陣から出られないのです。あのマドリーが自陣に釘付けで、完全にサンドバック状態。

イエロを中心とした最終ラインが体を張って守っていたため決定的なチャンスをたくさん与えていたというわけではありませんが、跳ね返すだけで精一杯で、跳ね返してもすぐベティスの鬼のような前線からのプレスの前に、こぼれ球をことごとく奪われて結局相手陣に入れないのです。

マドリーの方が調子が悪いとか、決してそんなことはありません。フィーゴを欠き右サイドの攻撃が機能していなかったことを除けばマドリーの出来も素晴らしいものでした。ほとんどダイレクト、遅くてもワンタッチ、ツータッチで回す見事としかいいようがないパスワーク、そして局面局面でも最高レベルの個人技、世界最強の名に恥じないプレーをしています。

そのマドリー相手に互角の打ち合いをするだけでも凄いことなのに、敵陣に釘付けにしてしまうベティスは紛れもなく本物です。
守備陣だけは不安で、さすがにジダン、ロナウド、ラウールあたりにワンタッチでつながれると冷やりとさせられるものがありましたが、それもたまにの話で、後半15分あたりからは圧倒的なベティスのペース。
それでも、それだけ押されながらも無失点に抑えるマドリーもさすがです。

そして、今シーズンこれまで無敵を誇っていたホアキンがついに止まりました。この前ホアキンvsロベルト・カルロスが最注目と書きましたが、今日に関して言えばロベルト・カルロスの完勝でしょう。それでも、DF面でホアキンに縦への突破を許さなかったという意味での勝利であり、彼自身がホアキンを止めるのに忙しくていつものような果敢なオーバーラップが影を潜めてしまったという意味では、ホアキンも完敗というわけでもありません。ただ、局面でのウイングホアキンvsサイドバックロベルト・カルロスという対決という点ではロベカル完勝でした。

しかし、ベティスも一方的に攻めながらも決定機はなかなか作れず、そんな中でも惜しかったのは後半30分くらいに、アルフォンソがゴール前での素晴らしい切り返しから放ったシュート、これはイエロの体を張った守備の前に惜しくも右に外れました。

結果は、1-1のドロー。それにしても、普通最初飛ばしてもどこかでペースが落ち着くものなんですが、両チームとも47分間アクセル全開で壮絶な闘い。解説の金子さんは、「このレベルのチームが45分間でやるからこそ見れるスペシャルな試合」とおっしゃっていましたが、めったに見れないものを見せてもらいました。

90分の試合ではあのペースではとてもじゃないけどもたないので、45分だからこそお互いにあのペースで走り続けられたという試合。ワールドカップ決勝どころか、チャンピオンズリーグファイナルよりもレベルは高かったでしょう。

守備偏重の時代を経て、攻撃サッカーへと世界の潮流が変わっているこの時期において、ロナウドまで加え世界最強の攻撃陣を誇るマドリーと、あのバルセロナを3-0で一蹴してしまったこちらも超攻撃型のベティス。世界最高峰の超攻撃的サッカーの応酬でした。

間違いなく今シーズンのこれまでのベストゲーム。シーズンが終わってもベストゲームかもしれません。というより、今シーズンはおろか近年のベストゲームでしょう。

ちなみに、この試合のボール支配率はベティス56%、マドリー44%。マドリーに44%しかボールを持たせないチームが、世界にあと何チームあるでしょうか…。ベティス本物です。

 

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