2007.06.04

『ブラス・ターゲット』(ジョン・ハフ)

ブラス・ターゲット

監督作品だけでなく、“役者ジョン・カサヴェテス”作品として、『特攻大作戦』『殺人者たち』とUPしてきましたが、今回は、『パニック・イン・スタジアム』と並んで70年代の役者カサヴェテスを代表する一作、『ブラス・ターゲット』です。

終戦直後のヨーロッパで、ナチスから没収した莫大な金塊が輸送中何者かに奪われた。
ソ連の手前面子を潰されたアメリカのパットン将軍は、自ら犯人逮捕に乗り出すが…。

パットン将軍といえば自動車事故で重傷を負い、そのわずか12日後に亡くなりましたが、“パットン将軍は暗殺された”という仮説をもとに書かれたフレデリック・ノーランの小説『アルゴンキン計画』の映画化。

サスペンス映画なので詳しくは書きませんが、金塊を奪った連中がパットン将軍の暗殺を企み、米軍諜報部と虚々実々の攻防を繰り広げるという内容。

派手なドンパチがあるわけではなく、地味といえばかなり地味ですが、派手ならいいというものでもありません。
これぞサスペンス、最後まで途切れない緊迫感は一級品。

特筆すべきは超豪華役者陣でしょう。

まずはパットン将軍にジョージ・ケネディ。

金塊を奪い、パットン暗殺を目論む犯人グループのリーダーにロバート・ヴォーン。

中心になって真相究明に当たる少佐に、我らがカサヴェテス。

カサヴェテスとの過去があり、今度こそはと彼のもとに寄り添う女にソフィア・ローレン。

まだまだよく見る顔が続々と出てきますが、とどめは、ロバート・ヴォーンが雇った世界最高の殺し屋にマックス・フォン・シドー。

中でもマックス・フォン・シドーが最高で、“事故に見せかけて”殺すようにとの依頼なので、そのために綿密な計画を練っていくわけですが、特注の武器の“試し撃ち”のシーン、確実に関係者を消していく完璧な仕事ぶり、そしてクライマックスの暗殺決行のシーンと、ここでも派手な演出は一切ないんですが、恐ろしいまでの冷静さで淡々と事を運んでいく様は、派手さがない分逆にプロの技を思わせ、世界最高の殺し屋の名に恥じない存在感。

殺し屋と少佐は戦争中の知り合いなので、カサヴェテスだけが、ソフィア・ローレンの助けも借りて、着実に、一歩また一歩と真相に近づいていくことになります。

寸分の狂いもない完璧な計画(文字通りほんとに完璧)でパットン将軍に迫るマックス・フォン・シドー、ついに全てを悟り現場へと急行するカサヴェテス、車の助手席にはソフィア・ローレン。

そして、史実では自動車事故の日、運命の1945年12月9日がやってくる…。



[原題]Brass Target
1978/アメリカ/111分
[監督]ジョン・ハフ
[出演]ジョン・カサヴェテス/ソフィア・ローレン/マックス・フォン・シドー/ジョージ・ケネディ/ロバート・ヴォーン

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『特攻大作戦』(ロバート・アルドリッチ)
『殺人者たち』(ドン・シーゲル)

 

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*Comment

■>ボーグさん

昨年Twitterに流れた情報では2月ということだったんですが、今のところ出ていないようです。
同じように12月という情報だった『動く標的』はちゃんと発売されたんですが・・・。
権利関係に問題が起きたんでしょうかね~。
最近も、いったんは予約も開始された『恋する惑星』『天使の涙』の廉価盤の発売が中止になるなんてことがありましたね。
micchii |  2012.05.03(木) 23:50 |  URL |  【コメント編集】

■micchii さん

とにかく声優も渋いんです。VHSで日本テレビ放送分があったのですが、
紛失してしまいました。今はレンタル落ちのテープをDVDに焼いて⇒ISOファイルにしてサーバーに保存しています。ちなみにTSUTAYAのオンデマンドDVDはいつごろ発売されるか御存知ですか?

ボーグ |  2012.05.03(木) 22:49 |  URL |  【コメント編集】

■>ボーグさん

コメントありがとうございます。
前にレンタル落ち中古ビデオで観ただけなので(今はもう手元にありません)、吹替は観たことないんですよ・・・。
マックス・フォン・シドーの渋さは絶品ですよね!
TSUTAYAの例のオンデマンドDVDで出るみたいですが、どうせ出るならBlu-rayでも出してほしいですよね。
micchii |  2012.03.31(土) 22:11 |  URL |  【コメント編集】

■ブラス・ターゲット

この作品の日本語吹き替えも素晴らしいです。再放送してくれないかなぁ。カサヴェテスとロバート・ヴォーンが雇った殺し屋のマックス・フォン・シドーの渋さは特筆です。昨今のCGと3D映画に憂いているわたしとしては、このような骨太の映画がもっと脚光を浴びて欲しいと思います。

ブロンソンのテレフォンとブルーレイで発売しないかしら・・・
ボーグ |  2012.03.31(土) 09:45 |  URL |  【コメント編集】

■>tonboriさん

この作品も『パニック・イン・スタジアム』も、埋もれさせるにはあまりにもったいないですよね。
それにしても、70年代はほんとに面白い映画の宝庫ですね。
micchii |  2007.06.11(月) 12:50 |  URL |  【コメント編集】

■これも未DVD化なんですねえ。

この作品と『パニックインスタジアム』も未DVDって・・・。
早くパブリッシャーは出してほしいもんですが、色々面倒な大人の事情になってんのかなあ。
tonbori |  2007.06.05(火) 22:10 |  URL |  【コメント編集】

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