2007.05.17

『サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋』(ジョー・マー)

サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋

正直に告白しますが、ラム・シューが出ているというだけで借り、あまり期待していませんでした。

しかし…。

ジョー・マー監督、すいませんでしたm(_ _)m
むちゃくちゃいい。

最近観た恋愛ものの中で、断トツに傑作!と言うつもりは毛頭ありませんし、実際そんなことは全然ありません。
でも、断トツに好き。

まず初めに、原作はあの『ターンレフト ターンライト』と同じ原作者の絵本。
よって、『ターンレフト ターンライト』同様、ありえね~!と叫ばずにはいられない展開を見せますが、そこはまあ原作が絵本ということで、目をつぶりましょう(笑)

この手の映画は言葉にしてしまうと一気に色褪せてしまうので、ストーリーをなぞるなどということはしません。

二組の恋愛が出てきますが、トニー・レオンとミリアム・ヨンの方は、二人とも目が見えません。

ここで、オールタイムベストの1本、セシリア・チャンの『星願 あなたにもういちど』、あの映画をご覧になった方は、前半目が見えないリッチー・レンが、セシと一緒にいられる喜びを全身に感じた、ほんとに嬉しそうな表情を覚えていらっしゃるでしょう。

そして、ラスト近く、リッチーのあの名台詞。

「どうかみんな目を閉じて、そばにいる人を心で感じて。
とてもいい感じがするから」

今回は、心で感じる人間×心で感じる人間なので、良くないわけがありません。

サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋 トニー・レオン ミリアム・ヨン

目が見えないという極端な設定は、ある意味反則で、本来なら何一つ不自由ない状態で同じような素晴らしさを演出するべきなんでしょうが、やはり、余計なものが入ってきちゃうんですよね。

同じくオールタイムベストの1本『あの夏、いちばん静かな海。』、あの映画の二人は、言葉を持ちませんでした。

でも、あの時書いたように、「一緒に歩き、走り、笑い、海を眺める、そこに言葉は、そして特別な何かは必要ありません」。

トニーの巧さは今さら書くまでもないですが、今回は、ミリアム・ヨンの表情がいい。
オレンジでお手玉をするトニーを“感じて”いる時の楽しそうな顔だけでも、この映画の愛おしさが十二分に感じられると思います。

もう一組が、チャン・チェンとドン・ジェ。
そういえば、ドン・ジェも『至福のとき』で目が見えない役を演じてますね。

サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋 チャン・チェン ドン・ジェ

片想いに破れた者同士が偶然出会い、やがて惹かれ合っていくというのがこちらの話ですが、二人のやりとりで、こんなのがありました。

「目を閉じると、一番好きなものが目に浮かぶらしい。
君には何が見える?」
「以前は、目を閉じると彼が見えた。
今は、何も見えない」

何てことを言ってくれるのか…。
そうなんです、目を閉じても浮かばなくなったら終わりなんです(爆)
とここで思い出に浸っててもしょうがないですが(笑)

さて、肝心のラム・シューですが、ミリアム・ヨンのお父さん役として登場。
珍しく、普通にいい人(笑)

そして、アコギを弾くラム・シュー!(実際は弾いてないと思いますが)

サウンド・オブ・カラー 地下鉄の恋 ラム・シュー

このシーン、数分間ほとんど台詞なしで曲がかかるんですが、そのうちギターパートをラム・シューが弾いているような感じです。
ラム・シューが映るとある意味台無しなんですが(笑)、曲はむちゃくちゃいい。

この映画、特にトニーの設定がありえね~!なんですが、前述の通りそこに目をつぶれば、人を好きになる時の何とも言えないあの感じが見事に出ていて、何より映画の中に流れる空気がいい。

映画の出来がどうのとかそんなことはどうでもよく、どこまでも愛おしい作品。
これぞ、愛すべき映画。



[原題]地下鐵
2003/香港/97分
[監督]ジョー・マー
[出演]トニー・レオン/ミリアム・ヨン/チャン・チェン/ドン・ジェ/ラム・シュー

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『ターンレフト ターンライト』(ジョニー・トー/ワイ・カーファイ)
『星願 あなたにもういちど』(ジングル・マ)
『あの夏、いちばん静かな海。』(北野武)
『至福のとき』(チャン・イーモウ)

 

TB(1) CM(8) EDIT

*Comment

■>sachiさん

初めまして、コメントありがとうございます。
自分は
http://shopping.jchere.com/
というサイトで買ったのですが、売り切れてしまったんでしょうか、サイトで検索しても出ませんでした・・・。
他のサイトもいろいろ探してみましたが、どこも品切れになっていますね。
役に立てず申し訳ありませんm(_ _)m
micchii |  2007.08.18(土) 11:18 |  URL |  【コメント編集】

このサントラどこで手に入りますか?
私もこの映画で使われている曲すべてが大好きで、ネットで探しても見つかりません。。。
どこで買えるか教えてください!!!
sachi |  2007.08.15(水) 11:59 |  URL |  【コメント編集】

■>5011さん

TBありがとうございます。
このエントリーを読んでご覧になっていただけたようで、嬉しいです。

小道具、どれも上手く使われていましたよね。
自分たちにとってはありふれた何でもないものでも、目が見えないと、また新たな面が出てきてよかったですよね、ギターに入ってしまったピックの取り出し方とか。
micchii |  2007.06.11(月) 13:01 |  URL |  【コメント編集】

これ、良かったですよ。

>どこまでも愛おしい作品

わかります、わかります。
チョコレート、腕時計、ギター、そしてもちろん地下鉄といった小道具の使い方も印象に残ります。

TBさせていただきました。
よろしくです。
5011 |  2007.06.10(日) 16:12 |  URL |  【コメント編集】

■>やっほーさん

ミリアム・ヨン、たぶん観るのはこれが初めてだと思うんですが、凄く良かったです。
メイキングを観たら、本人はだいぶイメージが違ったので、それだけこの役に入れ込んでいたんでしょうね。トニーと十分互角に渡り合っていると思いました。
「もたれあわない関係のステキさ」、おっしゃる通りですね。
micchii |  2007.05.18(金) 12:50 |  URL |  【コメント編集】

■>hi-chan

生涯ベスト10、プロフィールのところ今は15本になってますが、上から10本までのうち、ラブストーリー5本もありました(笑)
特に好きというわけでもないんだけどなぁ、最近は“男ならこれを観ろ!”な映画ばかり観てますし。
ウォン・カーウァイ、3度目の正直で、今回の作品はカンヌに間に合ったみたいですね(爆)
ほとんど覚えてないのに印象に残っているなんて、さすがラム・シュー!
micchii |  2007.05.18(金) 12:48 |  URL |  【コメント編集】

私もこの作品、大好きです。
この作品で、ミリアム・ヨンに惚れました。

なんでしょう。
このすがすがしさ。
もたれあわない関係のステキさを感じました。
やっほー |  2007.05.17(木) 22:42 |  URL |  【コメント編集】

うちのブログにコメントどうもです。
ラブストーリーを生涯ベスト10に、なかなか入れられない私(苦笑)。トニー出演映画でもそうみたいで。ただなぜかウォン・カーウァイ映画は別なんだよなぁ(謎)。
すでになんとなくしかストーリーなど覚えてないんですが、ラム・シューがアコギを弾いてるシーンは覚えてますよ~
この映画では、なかなかいい人でしたね<ラム・シュー
hi-chan |  2007.05.17(木) 13:39 |  URL |  【コメント編集】

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