2007.02.24

『ワン・ツー・スリー』(ビリー・ワイルダー)

ワン・ツー・スリー

ビリー・ワイルダー、師匠の大傑作に挑む!?

今回は、監督作品としては4本目となるビリー・ワイルダーの『ワン・ツー・スリー』です。

主演のジェームズ・キャグニーはギャング映画で名高いですが、1本も観たことがないので、喜劇役者?と思ってしまうほど、ジャック・レモンも顔負けの名演。
とにかくよくしゃべる、ひたすらしゃべる、『ヒズ・ガール・フライデー』のケイリー・グラントには及ばないものの、かなりのハイレベル。

冒頭のくだりは、東西対立を笑い飛ばしてしまおうというテーマは、言うまでもなくお師匠さんエルンスト・ルビッチの大傑作『ニノチカ』
ロシアの通商代表3人組のキャラなんかまさにそのまんまです。

ジェームズ・キャグニーが扮するのは、コカ・コーラのベルリン支社長。
アメリカ本社の社長から電話があり、娘がヨーロッパに行くのでベルリンでは君が観光案内をしてくれとのこと。

ワン・ツー・スリー ジェームズ・キャグニー

出世に目がないキャグニーはこれぞチャンス!とばかりに張り切りますが、その娘がとんでもないおてんば娘。

空港で出迎えた途端いかにとんでもないかをすぐに悟ったキャグニーですが、そこは社長の娘、機嫌を損ねるわけにもいきません。

しかし、娘が夜な夜な“鉄のカーテン”を越えて東ベルリンに遊びに行っているといい、さらに共産主義者の若者と結婚してしまったからさあ大変!(ちなみにこの娘は17歳にしてすでにこれ以前に3回の婚約経験あり)。

支社長キャグニーとしてはロシアにもコーラを売って売り上げを伸ばしたいという考えながら、社長は共産主義者に我がコーラを飲ませるなんてとんでもない!という考え。

それが、よりにもよって大事なお嬢さんが共産主義者と結婚。
しかも、社長夫妻がもうすぐヨーロッパ、そしてベルリンにやってくる、俺の15年間の努力は全て水の泡と消えるのか…。

ワン・ツー・スリー ビリー・ワイルダー

いや、こんなおてんば娘のために今までの努力が無駄にされてたまるか!
ベルリン支社総力をあげての若者改造作戦が始まります。

でも、若者は心底民主主義を憎んでいるため、靴下一つ履かせるのも大事。

さらに、キャグニーと美人秘書の不倫や、おかしなロシアの3人組も絡み、110分くらい一気にハイテンションで突っ走ります。

ただ、ワイルダーの演出が冴えているというよりは、キャグニー一人の力によるところがかなり大きい。

共産主義者の若者に扮するのは、“荒野の七人”の一人ホルスト・ブッフホルツ。

そして、この映画はなんといってもラストのオチ。
このオチがやりたくてこの映画を作ったと言ってしまってもいいほど、最後の最後に一発決めてくれます。
それは観てのお楽しみ。

全編笑えますし、十分面白いですが、これを観ると『ニノチカ』の偉大さを再認識させられます。



[原題]One, Two, Three
1961/アメリカ/108分
[監督・脚本]ビリー・ワイルダー
[出演]ジェームズ・キャグニー/ホルスト・ブッフホルツ/パメラ・ティフィン

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『ヒズ・ガール・フライデー』(ハワード・ホークス)
『ニノチカ』(エルンスト・ルビッチ)

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*Comment

■>テコさん

キャグニーってコメディのイメージはないんですが、この映画は最高ですね!
もちろんむちゃくちゃ面白いんですが、『ニノチカ』はオールタイムベストにも入れているくらい思い入れが強いので、比べるとちょっととなってしまいました(^^;
そうですよね、「センスのある笑える作品」、最近はなかなかお目にかかれませんね~。
micchii |  2012.03.30(金) 21:14 |  URL |  【コメント編集】

■キャグニー!

ワイルダーの中でも大好きな作品です。
もーーー超面白い、でも、やっぱりルビッチなんですねーもっともっと勉強しなければ・・コメディって本当にセンスのある笑える作品作るのは、むずかしいんでしょうね。中々出会えません。
テコ |  2012.03.30(金) 13:45 |  URL |  【コメント編集】

■>にじばぶさん

毎日お越しいただいて恐縮です。
最近は新しい映画ばかりでしたからね、すいません。
今年はなるべく劇場に出かけようと思ってまして、それで新しい映画が増えてます。

新宿ツタヤ、そんなシステムになってるんですね。
それじぁメジャーどころを観ている場合ではないですね(笑)

ルビッチとワイルダーでは、先にワイルダーをご覧になられることをお薦めします。
例によって弟子は師匠を超えられないので、ルビッチのが素晴らしいです。
先にルビッチを観てしまうと、世間で大監督と言われているワイルダーが、えっ?こんなもん?と、全然大したことなく思えてしまうと思います(笑)
micchii |  2007.02.26(月) 14:30 |  URL |  【コメント編集】

毎日チェックさせて頂いておりますが、なかなか観たことのある作品に当たらず、書き込むチャンスを逸してきました。(笑)

エルンスト・ルビッチやビリー・ワイルダーといった巨匠の作品の数々は、自身の「宿題映画リスト」に入ってはいますが、恥ずかしながらまだ一つも観れていないのです。

早く観たいのですが、新宿ツタヤは昨日あったはずの在庫が次の日行ってみると突然無くなっていたりで、貴重な作品(マイナーな作品)から優先して観ないと危ないもんですから、どうしても上記の有名監督の作品は後回しになってしまうんです。

しかも在庫が無くなってしまった作品を「取り寄せリクエスト」しても二度と戻ってきません。
最近そういったことに気付き、毎回新宿ツタヤに行く度にハラハラするようになってきました。
変なスリルがあって、ある意味楽しくはあるんですが・・・(笑)
にじばぶ |  2007.02.25(日) 11:20 |  URL |  【コメント編集】

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