2006.09.20

『マシンガン・パニック』(スチュアート・ローゼンバーグ)

マシンガン・パニック

『サブウェイ・パニック』をUPしておきながら、これをUPしないわけにはいかないでしょう。
というわけで今回は、同じくウォルター・マッソー主演の『マシンガン・パニック』です。

サンフランシスコで起きたバス内での銃乱射事件。
被害者の中には、ある男を尾行していた私服刑事の姿もあった…。

死んだ刑事の相棒が、主役の刑事ジェーク(ウォルター・マッソー)。
新たに組むことになった相棒レオにはブルース・ダーン。
仲間の刑事の中にはルイス・ゴセット・Jrなんかもいて、いい顔ぶれです。

このジェーク、『ダーティハリー』のハリー・キャラハンのようにむちゃくちゃ強いわけでもなく、『フレンチ・コネクション』のポパイのようにとにかく走るというわけでもなく、基本は入念な聞き込み。しかし、執念は他の二人に負けてません。

マシンガン・パニック

ただ、銃の密売人を情報屋として使っていたり、必要とあらば聞き込みの際に相手の腹に一撃を食らわせることくらいは朝飯前。
おかげで、捜査方法に問題ありと裁判所にも出廷したり、上司にも口うるさく言われます。

それでも、仲間内の信頼は厚く、相棒を失った悲しみと苛立ちに近寄りがたかったレオも、少しずつジェークと力を合わせていくことになります。

あと、警察署内での仲間内でのやりとりや、それぞれが街に出て聞き込みをする時の、雰囲気がいいですね。

ジェークもこんな嫌な仕事はないなんて言ってましたが、決して刑事はかっこいい正義の仕事なわけではなく、怪しい情報を掴まされれば危ない橋も渡り、時には恐喝まがいの汚い手も使い、時にはこんなことやってられるかと投げ出したくもなり、それでも期待もできない情報を求め今日も街に繰り出していく。

そんな中浮かび上がってきた、かつてジェークが追っていた迷宮入り事件とのつながり。
命を落とした相棒は、ひょっとして何かに気づいていたのでは!?

話の展開は観てのお楽しみとしておきますが、クライマックスのシークエンスの緊迫感は素晴らしい。

バスに乗り合わせるジェークと犯人。
別の車で追いかけながら、同じ型のバスが現れたため肝心のバスがわからなくなるレオ。

最後尾の座席へと移動し、カバンのチャックに手をかける犯人。
その様子は見えていないながらも、拳銃を準備しつつ、気づかれないように何度も視線を送るジェーク。

カチャ、カチャと、少しずつ組立式の銃を組み立てていく犯人…。

ラストも、今だったらあの後5分くらいはあるでしょうが、あそこで終わるところがいいですね。

あの後のやりとりなんかは観なくてもわかるわけで、そこは余韻として残しさっと幕を下ろす、最近の映画はそんなこと映さなくてもわかるということまで映すから、無駄に長くなるんですよね。

この前書いたように、『マイアミ・バイス』はその点は素晴らしかったです。

話がそれかけましたが、『サブウェイ・パニック』と並ぶウォルター・マッソーのB級アクション映画のもう一つの代表作。
これまた必見です。

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[原題]The Laughing Policeman
1973/アメリカ/114分
[監督]スチュアート・ローゼンバーグ
[出演]ウォルター・マッソー/ブルース・ダーン/ルイス・ゴセット・Jr

→予告編 →他の映画の感想も読む

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*Comment

■>Bill McCrearyさん

初めまして、コメントありがとうございます。
なんと、TVで放映されたんですね!やっぱりテレビ東京でしょうか。

原作はまだ読んでいないんですが、落ちは微妙に違うんですね。
読む際には楽しみにしたいと思います。

原作も他にも作品があるようですし、二人でシリーズ化しても他にも楽しませてくれたでしょうね。

ローゼンバーグ監督、これと『暴力脱獄』しか観ていませんが、他にも面白いB級アクションがいろいろありそうなので、少しずつ観ていきたいと思います。
micchii |  2007.10.26(金) 13:53 |  URL |  【コメント編集】

はじめまして。今月、しばらくぶりにこの映画が東京ではテレビ放映されまして、数年ぶりに見ました。一年前の記事ですが、コメントさせていただきます。

この映画は脇役が充実しています。ルー・ゴセットJrから、アンソニー・ザーブ、クリフトン・ジェイムズにいたるまで。『暴力脱獄』と出演者が重複しているのも興味深いところです。

また、ラストの落ちも、原作と似た趣向ですが、微妙に変えているところもいいですね。個人的には、マッソー、ダーンのコンビのシリーズになってもよかったなと考えているくらいです。

DVD化がまだですが、もし可能なら、日本語吹き替え版も一緒に収録してほしいと思います。佐藤英夫のマッソーと、故・山田康雄のダーンの声もぴったりしていました。

そういえば、ローゼンバーグ監督も亡くなってしまいましたね。ご冥福を祈りたいと思います。
Bill McCreary |  2007.10.23(火) 21:46 |  URL |  【コメント編集】

■>めとろん様

初めまして、コメントありがとうございます。

なかなかコメントのつかない映画へのコメントありがとうございます、とても嬉しいです。

スチュワート・ローゼンバーグは、まだこれと「暴力脱獄」しか観ていませんが、徐々に観ていきたいと思っています。

70年代の映画はリアルタイムでは観れていない世代(70年代後半生まれです)なので、ペキンパー、アルドリッチ、シーゲルから入り、ようやくその他に手を伸ばし始めたところですが、ほんとにどれも外れがないですね。
マッソーだけでも、すでに感想をUPしている『サブウェイ・パニック』、これ、そしてUP予定の『突破口!』と、どれも文句なしに面白いです。

いろいろ教えていただくことがたくさんありそうですので、今後ともどうぞ宜しくお願い致します。
micchii |  2006.10.24(火) 13:25 |  URL |  【コメント編集】

■スチュアート・ローゼンバーグ!

初めまして、検索からやって来ました、めとろんと申します。

この映画、大好きです!やる気のなさそうなブルース・ダーンがまたいいですよね。
スウェーデン社会の変遷が一つの主軸である「マルティン・ベック」シリーズをアメリカに移してやろう、というのがまず凄い。
原作「笑う警官」に関しては、推理作家の都筑道夫氏は、犯人の行動に致命的な論理的破綻があって高く評価されていませんが…。

そしてローゼンバーグ!「暴力脱獄」、「新動く標的」、「ブルベイカー」など、'70年代アクション世代には堪らない作品が並びます。僕はロス・マク好きなので、ジャック・スマイト監督「動く標的」(こちらも傑作!)の続編でポール・ニューマンがいい具合に枯れた「新動く標的」も好きでした。最後は水攻め!な展開はベタでしたがそれもアリかと…。
個人的には好きなピーター・フォーク出演の「殺人会社」が見てみたいです。

僕も好きな映画が目白押しで、嬉しかったのです。また来ます!
めとろん |  2006.10.23(月) 18:47 |  URL |  【コメント編集】

■>tonbori様

原作の存在は知ってましたが、スウェーデンで映画化されてるのは知りませんでした。
未DVD化作品はヤフ●クに聞けということで検索したら、ビデオが3800円で出てました。
3800円・・・。380円なら即入札するんですけどねぇ。
誰か安く出品してくれないかなぁ・・・。
micchii |  2006.09.25(月) 12:07 |  URL |  【コメント編集】

■これの原作って

確かスェーデンの警察小説、『マルティン・ベック』シリーズのうちの1つなんですよね。その本家スェーデンで作られた『刑事マルティン・ベック』という作品があってかなりの力作ですが未DVD化。多分されることは薄いんでしょうがまた観たい1本です。
tonbori |  2006.09.21(木) 00:04 |  URL |  【コメント編集】

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