2006.09.11

グエムルと“廃棄物13号”

グエムル

ポン・ジュノ監督自身は、「『グエムル』製作前の段階で『WXⅢ 機動警察パトレイバー』を観ておらず、直接のリファレンスにはなっていない」と証言しているみたいですが、確かにグエムルと“廃棄物13号”のビジュアルや登場の仕方は酷似していて、パクリだと騒ぎ立てるのもわからなくはありません。

もし本当に監督が観てなかったとして、ハリウッドの特撮チームはパトレイバーを観てないなんてことはないと思うので、彼らが影響されたのかもしれません。

ただ、いろんな感想を読んでいて、パクリの一言で片づけているのを見ると、ほんとに悲しい…。

グエムルが生まれた原因は、薬物の悪意の廃棄。そして、“生まれてしまった”わけです。
一方、“廃棄物13号”が生まれた原因は、夫と娘を亡くした悲しきサイエンティストの、亡き娘への想い。“生まれてしまった”のではなくて、想いが“生んだ”のです。
まずはここが根本的に違う。

怪物に立ち向かうのも、『グエムル -漢江の怪物-』の方は一市民、しかも、店番もできない男や、学生運動にはまってフリーターになった男など。
頼りになるべき警察や軍隊は何一つしてくれず、むしろ敵でさえあります。
武器も、JINROの空き瓶を改造した火炎瓶やアーチェリー。

一方の『WXⅢ 機動警察パトレイバー』は、陸自から警視庁から総動員で、指揮をしているのはもちろん国家、武器も最新鋭。

もし、グエムルと“廃棄物13号”の「写真」だけを見てパクリだと片づけている方がいらっしゃいましたら、まずは『WXⅢ 機動警察パトレイバー』を、そして何よりも『殺人の追憶』を観てほしいと思います。

でも、どちらも残るのは“切なさ”であり、実は一番根本的なところは似てたりするわけですが(笑)

【『WXⅢ 機動警察パトレイバー』予告編】



【関連記事】
『グエムル -漢江の怪物-』(ポン・ジュノ)

TB(3) CM(2) EDIT

*Comment

■>ゴーシュ様

TB&コメントありがとうございます。

mixiの方の日記には写真付で書いたんですが、自分は栗きんとんに秋の訪れを感じました。
栗きんとんが食べられる=9月になったということなので、毎年自分は栗きんとんを食べると、あぁ秋だなぁと感じます。

TBしていただいた記事の最後にありました、「ポン・ジュノ監督の映画には韓国の香りがします.それが全てです」、おっしゃるように、この言葉に尽きますよね。
韓国には行ったことがないのですが、彼の映画を3本観ただけで、韓国の空気を肌で感じることができたような気がします。
こうやって書くのは簡単ですが、これってとんでもなく凄いことですよね。
あの若さで、ほんとにとてつもない才能だと思います。

「好きな作品のことしか書いておりません」というのは自分も同じです。
カテゴリー「気まぐれ日記」として日記として書いている作品では愚痴も書いていますが(『PROMISE』では1300円返せ~!とまで書きましたし)、記事のタイトルに作品のタイトルを『』付で書いている作品は、好きな映画しか書いていません。

映画評論家なら好きな映画もそうでない映画も書かなければいけないでしょうが、素人ですし、そもそもこうやって書いている理由が、自分が大好きな映画を一人でも多くの方に観ていただきたいと思って書いていますので、自分がつまらないと思った映画は当然書きません。

これからも、大好きな映画への想いを一人でも多くの方と共有できるように、“愛すべき映画たち”を書いていけたらなぁと思います。
micchii |  2006.09.13(水) 14:09 |  URL |  【コメント編集】

■大丈夫ですよ.

micchiiさん,こんばんは.
昨晩のもの凄い雨で真っ二つに折れてしまったトマトの木に,秋の訪れを否応なく感じてしまいます….

小生サイトにコメントありがとうございました! micchiiさんの映画の見方はいつも明るくて,また前向きなところが魅力です.そしてその意味でも,本記事の心配は大丈夫だと思いますよ!!

前に「ゲド戦記」の賛否の折に,これの公開前に書いた小生の賛の記事に賛の方からコメントをいただいたことがあります.その方へのお返事として,ちょっと厳しい言い回しですが,否は否でしょうがありませんという意のことを書きました.小生の賛の記事に同意して頂けたのは嬉しかったのですが,それ以上の論争は無用かなと. 監督は作品が全てで,それは彼が選んだ道ですものね. 美味しいマズイは食べた人の心ひとつに委ねられてしまいます.でも根拠の無い誹謗は淘汰されると思いますし,映像の評価はとても生理的なところに依存するのでその人の人柄が出ますからしょうがないですね.それに注目度が高ければリスクも大きいわけで,その意味でもポン・ジュノ監督の力量さえあれば別段問題ないのですから.

匿名のブログの世界は人格と品格が問われると思います.その意味でもmicchiiさんのコメントはとても大好きですし,一杯やりたいくらいです.(またか…笑)
しかし本当に様々な映画をご覧なっていますね,感服.
同業なので,どうしても小生サイトの映画考は万民受けでは決してないのですが,好きな作品のことしか書いておりませんので,どうか今後ともご贔屓に.
公開前に書いたグエムルの小生記事をTBさせていただきますね. それではまた,体温のある映画へのコメントを楽しみにしています!
ゴーシュ |  2006.09.11(月) 20:33 |  URL |  【コメント編集】

コメントを投稿する

URL
COMMENT
PASS  編集・削除するのに必要
SECRET  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲PageTop

*Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://micchii.blog4.fc2.com/tb.php/453-e304fd41

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

「グエムル 漢江の怪物」:人を食ってるのは--怪物でなくて監督の方だっ

監督:ポン・ジュノ 出演:ソン・ガンホ、ピョン・ヒボン 韓国2006年 「グムエル一枚!」と勢いよく言ってしまった私である。しかし、窓口のおねーさんは全く気に留
2006/09/30(土) 11:22:11 | ひねくれ者と呼んでくれ

「グエムル-漢江(ハンガン)の怪物」

監督/ポン・ジュノ
2006/09/20(水) 14:56:11 | わが思うがまま

嫉妬する手練れ.

-ポン・ジュノ監督新作-原題「怪物/THE HOST」邦題「グエムル-漢江の怪物-」2006.9.2 日本公開 120min ポスターより予告篇へこの作品の期待度や前評判などは検索により明らかになるけれど,とにかくこの監督の出現そのものに小生は一番ショックを受けています!前作「殺人
2006/09/11(月) 20:36:36 | 15夜通信

▲PageTop

 | BLOGTOP |