2006.04.14

『生活の設計』(エルンスト・ルビッチ)

生活の設計

エルンスト・ルビッチ第6弾。

列車の個室で並んで居眠りをしている二人の男、画家のジョージ(ゲイリー・クーパー)と劇作家トム(フレデリック・マーチ)。
向かいの席に乗り合わせた広告代理店に勤務するジルダ(ミリアム・ホプキンス)は、二人のスケッチを始めます。

ジルダがスケッチしていて、ふと顔を上げるとジョージがさっきまでと寝顔が違っていて、書き直したと思ったらまた違っていてと、いつもの“目で見せる”楽しさで一気に引き込みます。
これだけでもうこの先の面白さは保証されたようなもの。

お互いに絵心があるジョージとジルダはお互いの絵を酷評、しかしあれよあれよという間に3人は意気投合。
しかし、同時にジルダを愛してしまったジョージとトム。長年の友情にひびが入り…。

やっぱり友情を取ろうと二人が仲直りしたのも束の間、二人の暮らすボロアパートにジルダが転がり込み、なんと3人の共同生活が開始。
約束事は一つ、“紳士協定”。

ルビッチ監督お得意の三角関係が、これまででも一番わかりやすい形で展開されます。

生活の設計 ルビッチ

二人を完全に手玉に取るジルダ、ミリアム・ホプキンスの魅力的なこと!
同じルビッチ監督の『極楽特急』にも出ていた彼女ですが、男はこういう女性に弱いんです(笑)
小悪魔的魅力とはこのこと、管理人も完全にイチコロです…。

ジルダの陰の尽力が実り、トムは戯曲が売れロンドンに。
お約束の展開で、紳士協定は破られ、結ばれるジョージとジルダ。

トムがロンドンから帰ってくると、ジョージは旅行中。
案の定結ばれるトムとジルダ。
ジルダ恐るべし(笑)

まあこれは今では何の珍しさもない話ですが、1933年当時としては大胆なテーマだったのではないでしょうか。

結局どちらも選べないジルダは二人の元を去り、愛してもいない勤務先の社長と結婚。
この社長はルビッチ作品ではお馴染みのエドワード・エヴェレット・ホートン、今回も哀れな役を見事に演じています(笑)

今回も例によって省略による描写は冴え渡っていて、手入れを怠り壊れてしまったタイプライターでジルダの心境の変化を表したり、唯一壊れていなかったベルの使い方など、ほんとに上手い。
ジルダと社長の初夜も、部屋の中を一切見せずに、出てきた社長の姿だけで全てをわからせるなど、こんなのはルビッチ監督には朝飯前ですね。

ラストは観てのお楽しみとしておきます。

一つ思ったのがゲイリー・クーパー、3年前の『モロッコ』ではあんなに若くてハンサムだったのに、たった3年でこんなに老けるの?
3年前の『モロッコ』よりも、19年後の『真昼の決闘』の時に似ていると感じたのは、気のせいでしょうか(笑)
かっこいいことに変わりはないんですが。

ルビッチ監督が、前年の傑作『極楽特急』に続いて撮ったのがこの作品。
そして翌年には『メリィ・ウィドウ』。この時期はほんとに絶好調ですね。
本作品も十二分に“ルビッチ・タッチ”を堪能できます。

しかし、すべてはミリアム・ホプキンス。
天下のゲイリー・クーパーでさえも、彼女の前ではただの添え物。
彼女に出会うためだけでも何度でも観たい。



[原題]Design for Living
1933/アメリカ/91分
[監督]エルンスト・ルビッチ
[出演]ゲイリー・クーパー/フレデリック・マーチ/ミリアム・ホプキンス

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『極楽特急』(エルンスト・ルビッチ)

 

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*Comment

■>Carolita様

TB&コメントありがとうございます。

>やっぱりmicchiiさん。この最後の文章で思わずニヤリとしてしまったわたしです。

「やっぱり」の意味がわからないんですけど・・・(笑)

“見せずに見せる”のはルビッチ監督の必殺技でして、サイレント映画の方が台詞がない分さらにその妙が味わえると思います。『ウィンダミア夫人の扇』なんかほんとに凄いですよ。
でも、一番凄いのは、『極楽特急』のあるシーンだと思います。それは観てのお楽しみということで^^

ゲイリー・クーパー、『モロッコ』のハンサムぶりが強烈だからなのか、この時点ではもう若いって印象がないんですよね(笑)

ルビッチ監督、今まで観た12本に“ハズレ”は
1本もなかったですが、中でも感想をUPしている5本はほんとにどれも傑作揃いです。絶対の自信をもってお薦めします!
micchii |  2006.04.17(月) 13:15 |  URL |  【コメント編集】

■キター!!(顔文字描きたかったけど描けないよ~)

>天下のゲイリー・クーパーでさえも、彼女の前ではただの添え物。
彼女に出会うためだけでも何度でも観たい。

やっぱりmicchiiさん。この最後の文章で思わずニヤリとしてしまったわたしです。

そうそう!タイプライターの小物や、寝室から出てきた夫の様子、それから、トムとジルダのことを知ったジョージが、壁やらモノを殴って暴れるところも、姿を見せず音だけでしたね。
そっか、そういう演出もルビッチ監督のお得意だったんですね~。
今ではそんなに珍しくないかもしれませんが、
やっぱりそれを30年代にやっちゃったところがスゴイと思います。
そして、とにかく観ていて楽しい映画でしたよね!
micchiiさんがミリアム・ホプキンスにイチコロの間、
わたしは若かりしクーパーの、目張りを引いたような目元とやけに白い顔にクラクラしてました(笑)
ルビッチ監督の作品、次を観るのが楽しみです!
Carolita |  2006.04.15(土) 17:42 |  URL |  【コメント編集】

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2006/04/15(土) 17:55:46 | Caroli-ta Cafe

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