2006.01.16

『ワンナイト イン モンコック』(イー・トンシン)

ワンナイト イン モンコック

大陸からやってきた殺し屋フー(ダニエル・ウー)。
腕は立つものの、人を殺したことなどない田舎の若者。
チンピラにからまれていた娼婦タンタン(セシリア・チャン)を偶然救う。

お互いに大都会香港にやってきた大陸の田舎者、しかも近くの村の出身ということを知り、一気に心通わせる二人。

大陸出身者というのが、この映画の1つのポイント。
フーとタンタンだけでなく、フーに殺しを仲介した男(ラム・シュー名演!)もフーと同じ村の出身者。

ワンナイト イン モンコック ラム・シュー

男がフーを警察に売ろうとしたので、男に拳銃を突きつけつつ、「村のみんなに洗いざらいバラしてやる」と迫るフー。

「お願いだ、家族は何も知らん。俺を殺していいから…殺せ…家族には言うな」

男にとっては、殺されることよりも、田舎に残してきた家族に今の自分を知られることの方が耐えられないこと。
このシーンは泣けます、まさかラム・シューに泣かされるとは!


チンピラの仕返しから逃れながら、殺しの任務に向かうフー。
彼の正体を知ってしまったタンタン。
一度は逃げようとするものの、もはや離れることができない。

フーが恋人を探していることも知っている、愛情とは違う、それでも離れられない。
それはまさに“縁”。

ワンナイト イン モンコック ダニエル・ウー セシリア・チャン

フーが雇われた原因は二大組織の抗争。
これを機に、殺し屋と共に組織のボスも逮捕しようとする警察。

しかし、ミウ警部はどこか情熱を失っていた。
犯人を逮捕することよりも、事件を解決することよりも、仲間の命を守ることが大切だと思うようになっていたからだ。

仲間はもちろん、たとえ犯人であろうと、人の命を奪うということが、人が死ぬということがどういうことかを、彼は身をもって知ったのだ。
『ダブルタップ』で大勢の仲間を殺され、さらにリック(レスリー・チャン)を射殺したあの時に…。

取調室で「人殺しの感覚は?」と尋ねたミウ刑事に、あの時リックは言った。
「知りたいのか?いつか教えてやる」

同じ道は進まない、そう心に誓っても、そのリックを殺し自らも同じ道に。

今度も同じことを繰り返すのか、またも部下を失うのか、部下にも人殺しの十字架を背負わせるのか。
いや、そんなのは自分一人でいい、皆が無事に家に帰れたらそれでいい。

ワンナイト イン モンコック アレックス・フォン

クリスマス・イヴの夜、ついに掃討作戦が始動する。
コードネームは「ワンナイト イン モンコック」。
運命のその時がやってくる…。


いつの日か、ミウ警部の心が安まる日はやってくるのか。

「香港はなぜ“香る港”なの?」
タンタンの一言が胸に突き刺さる…。


※これからご覧になる方は、先に『ダブルタップ』を観ることを強くお勧めします。
『ダブルタップ』を観ていると、ミウ警部の台詞一つ一つの重みがかなり違うと思います。



[原題]旺角黒夜
2004/香港/110分
[監督]イー・トンシン
[音楽]ピーター・カム
[出演]ダニエル・ウー/セシリア・チャン/アレックス・フォン/ラム・シュー

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『ダブルタップ』(ロー・チーリョン)
『トリプルタップ』(イー・トンシン)

 

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*Comment

■>健太郎様

こちらこそTB&コメントありがとうございます。
自分はぶち壊しとまでは思いませんでしたが、あそこは明らかに殺し時を間違えていましたね・・・。
micchii |  2006.06.26(月) 13:34 |  URL |  【コメント編集】

■遅くなってしまいましたがTBありがとうございました。

シックな感じが良かったのですが、ラストのどうでもいい「チンピラ」を殺し損ねているのが気に入りません。
あのチンピラを生かす理由など何も無いのですからあそこで殺すべきです。
このせいで大きくマイナスで私的にはベストよりもワーストに近いです。
たった一人の殺し時を間違えただけなのに残念です。
健太郎 |  2006.06.25(日) 02:07 |  URL |  【コメント編集】

■>にこ様

こちらこそTB&コメントありがとうございます。
『ダブルタップ』を観ると、フーとタンタンよりも、ミウ警部にかなり感情移入することになって、さらに深まると思います。
『ブレイキング・ニュース』は、自分のところはいよいよ明日から公開です。
でも、上映時間が21:15~22:50の1回だけと、待遇悪すぎです・・・。
micchii |  2006.01.27(金) 12:33 |  URL |  【コメント編集】

■>kimion20002000様

こちらこそTB&コメントありがとうございます。

>大陸からの登場人物が、田舎に残してきたもの、その寂しい気配に心を打たれましたね。

この部分が、この映画の一番のポイントでしたね。
主役の二人はもちろん、同じ境遇のラム・シューもいい味出してました。
micchii |  2006.01.27(金) 12:27 |  URL |  【コメント編集】

■TBありがとうございます。

ダブルタップはまだ見てないので、
いつか見たくなりました。
ブレイキングニュース、こっちではまだ公開されてなくて、
早くみたいです。
にこ |  2006.01.26(木) 19:31 |  URL |  【コメント編集】

■TBありがとう。

そんなに、すごい作品とはおもわないのに、なぜか、心に残る作品でした。大陸からの登場人物が、田舎に残してきたもの、その寂しい気配に心を打たれましたね。
kimion20002000 |  2006.01.26(木) 17:20 |  URL |  【コメント編集】

■>カノ様

コメントありがとうございます。
最初は『ダブルタップ』と続けてUPするはずだったのに、ずいぶんとお待たせして申し訳ありません。
「観たくなる」と、今回も嬉しいお言葉ありがとうございます。
やっぱり『ダブルタップ』のことがあるからか、主演の二人よりもミウ刑事が切なくてたまらなかったです・・・。
確かにおっしゃるように、できることなら映画は映画館で観たいですよね。
という自分も、レスリーの映画はたぶん『ブエノスアイレス』しか劇場では観たことがないような気がします^^;
micchii |  2006.01.24(火) 13:05 |  URL |  【コメント編集】

■お待ちしていました。

やっぱり「観たくなるレビュー」だ^^
「皆が無事に家に帰れればいい」
胸に迫る言葉です。
レスリーの主演作は今や上映自体が少なく
せめて初回は映画館で観たい新米ファンを
悩ませます。大スクリーンで観るべき役者
だと思うからこそなのですが。
それ以前に年齢以上のアナクロ人間(苦笑)
で、TVでいいなら映画なんかつくるなあ!
と内心思ってるんですね(^^;
カノ |  2006.01.23(月) 22:15 |  URL |  【コメント編集】

■>tonbori様

コメントありがとうございます。
『ダブルタップ』をDVDを買われるほどお好きなら、きっと満足されると思いますよ。
言われてみれば確かに遠い親戚みたいですね。
micchii |  2006.01.23(月) 13:11 |  URL |  【コメント編集】

■これは観ないといけませんねえ

『ダブルタップ』観ているだけに観ないといけませんねえ。それと香港公開時には『ブレイキング・ニュース』と同時期だったそうで。ネタ的にも香港旗兵の話なんで遠い親戚?みたいな気もしますね。
tonbori |  2006.01.20(金) 23:01 |  URL |  【コメント編集】

■>any様

これ単体としても素晴らしい映画だと思いますが、『ダブルタップ』を観ているとさらにいいと思いますので、機会があればぜひ。

『忘れえぬ想い』、観たいですよね!なんといってもラウ・チンワン!!
名古屋にも来てくれるかなぁ・・・。
micchii |  2006.01.19(木) 13:28 |  URL |  【コメント編集】

■>hi-chan様

この映画をアレックス・フォンとラム・シュー目当てで観るのもどうかと思いますが(笑)、それでも実際この二人に尽きますよね。

『ダブルタップ』を先に観ておいてほんとによかったと思います。
観てなかったら、普通にフーとタンタンの目線だけで物語を追って、さらに+ラム・シューという感じでしたでしょうから(笑)

自分はDVDで観たのでそこまで重低音は気にならなかったんですが、劇場では凄かったんですね!
キネカ大森は一度も行ったことがないんですが、音響がたいしたことない劇場でも、やっぱり家で観るのとでは雲泥の差がありますよね。
自分が今まで体験した中で一番良かったのは、3、4年前に新宿高島屋内の映画館で観た『アマデウス ディレクターズ・カット』、ただでさえ全編にモーツァルトの極上の音楽が流れるのに、あの音響は最高でした。
micchii |  2006.01.19(木) 12:25 |  URL |  【コメント編集】

■>zoecchi様

こちらこそTB&コメントありがとうございます。
zoecchiさんもラム・シューですか!(笑)
ミウ刑事、未公開シーン切なすぎますよね。でも、さすがにあそこまで描いてしまうと主役の二人の存在感がもっと少なくなってしまいそうですから、カットして正解だったかもしれませんね。
「香港はなぜ“香る港”なの?」、ほんとに印象的でした。
micchii |  2006.01.19(木) 12:18 |  URL |  【コメント編集】

■やっぱり

micchiiさん、こんばんは。
やっぱり、この作品は『ダブルタップ』を観てからの方が良かったみたいですね。
でも、レンタルにないしなぁ…。
まあ、それはそれとして、重厚感のあるストーリーは印象に残るものでした。
この作品、大阪では結局劇場公開されなかったんですが、今作と同じ、イー・トンシン監督、セシリア主演の『忘れえぬ想い』が大阪公開されるのかどうかが、すごく気になってます・・・。
any |  2006.01.19(木) 00:43 |  URL |  【コメント編集】

■この映画は・・・

アレックス・フォンとラム・シューにつきますね!

>いつの日か、ミウ警部の心が安まる日はやってくるのか。
ううう。思い出すだけでせつなくなります。
私も先に「ダブルタップ」を観ておいて良かったと思いました。アレックス・フォンが演じる役の重みが違いますよね。
この映画、音楽も印象的でした。劇場で観た時、重低音が凄く響いてました。
家でDVDを観た時は音がたいしたことなくて(PCで観てるので特に低音は響かないのです)、やっぱり劇場で観てよかったと思いました。
・・・・・・キネカ大森は音響はたいした事ないはずなですが(爆)
hi-chan |  2006.01.17(火) 14:11 |  URL |  【コメント編集】

■TB&コメントありがとうございます。

この作品観られましたか~。
私はこの映画を観たころはまだラム・シューの存在を知りませんでした。
私もラム・シューを見るために再見してみようかな。ってラム・シューかいっ!(^^)
ミウ刑事の演技は切ないですね。本編にはないですけどカットされたシーンの中にもミウ刑事の心情が伝わってくるシーンがありましたよね。

「香港はなぜ“香る港”なの?」…心に残るセリフです。
zoecchi |  2006.01.16(月) 22:25 |  URL |  【コメント編集】

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