2005.12.19

『ダブルタップ』(ロー・チーリョン)

ダブルタップ

今は射撃大会に出場しなくなったものの、誰もがその腕を認める名手リック(レスリー・チャン)。

香港警察一の腕前を誇るミウ刑事(アレックス・フォン)。

射撃の訓練場で遭遇した二人は、相手に自分と同じ匂いを感じ、今年の大会での対決を誓う。

そして迎えた大会の日。
他を寄せつけない圧倒的な早さと正確さで決勝まで進んだ二人は、ついに雌雄を決しようとしていた…。

そこへ現れたミウ刑事の友人の同僚、株で大損し自暴自棄になった男は銃を乱射。
騒然とする会場。
男に銃を向けるものの、友を撃てないミウ刑事。

そんな時、寸分狂わぬ弾丸が男の額を撃ち抜いた…。

違わぬ腕前を持ちながら、最後まで引き金を引けなかった男と、引けてしまった男。
それぞれの運命が動き出す…。

ダブルタップ レスリー・チャン

再会は、3年後の警察の取調室。

わずか数秒の間に警官が何人も殺される事件が発生。
そんなことができるのは香港でも数人と、取り調べを受ける銃の名手たち。
しかし、ミウ刑事の目にはリックしか映らない。

取調室での二人のやりとり。

「疑問だった。なぜためらった。友達だから?違う、怖かったんだ。
 お前が優秀なのは、標的が紙の時だけ、臆病者だ。
 紙を撃つのと人間では、感覚がまるで違う。
 あの日、銃の用途は人を殺すことだと分かった」
「人を殺すのは銃でなく人間だ」
「銃の善悪を話しても仕方ない。発明した目的は、人殺しだ」

「人殺しの感覚は?」
「知りたいのか?いつか教えてやる。病みつきになるかも」

人を撃つ悦びを知ってしまったリック。
しかし、時に気が狂いそうにもなり、自らのこめかみに銃を向けることも。

そんなリックの側に寄り添う女。
自分よりも銃の方を愛していることがわかっていながら、それでも、側から離れない。
そんな彼女には時折笑みを見せるリック。扮するのは、『PTU』での活躍が記憶に新しい、ジョニー・トー作品の常連ルビー・ウォン。

片やミウ刑事。自分が撃っていれば、急所を外して自分が撃っていれば、友を死なせずに済んだのに…。

次々と同僚を殺され、ついにリックを殺す決意を固めるミウ刑事。
しかし、いざそうなると興奮して落ち着かない。
そんな彼に寄り添う優しい妻。こちらはモニカ・チャン。

『ザ・ミッション/非情の掟』も銃へのこだわりが凄かった作品ですが、この作品も負けていません。
そういえばあちらの原題は『鎗火』、こちらは『鎗王』、同じ字が使われていますね。

『ザ・ミッション/非情の掟』で、スーパーボウル飯店のおじさんが雇った殺し屋がこのレスリー・チャンだったら、グァイやロイたちでも防げなかったかもしれませんね(笑)

今は亡きレスリー・チャン、インタビューで監督業への思いを笑顔で語っているのを見ると、彼がもうこの世にいないなんてとても信じられません。
プロ顔負けのガンさばき、狂気にとりつかれていく様、さすがレスリーでした。

そんなレスリーに存在感で負けてないアレックス・フォンも見事。
二人の華麗な銃さばきだけでも必見。

禁断の領域に触れてしまい自らでは抑えが効かず、自分よりも腕の立つ男に殺してもらうなら本望のリック。

頭ではダメだとわかっていながら自分も同じ領域に足を踏み入れようと、リックを止められるのは、リックを殺せるのは自分しかいないとミウ刑事。

次に出会う時は、命のやりとりになることは必至。

舞台は映画館、3年の時を越え、ついに雌雄を決する時が。

「Are you ready?」



[原題]鎗王
2000/香港/94分
[監督]ロー・チーリョン
[製作]イー・トンシン
[音楽]ピーター・カム
[出演]レスリー・チャン/アレックス・フォン/ルビー・ウォン/ヴィンセント・コク/モニカ・チャン/ジョー・チェン

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『ワンナイト イン モンコック』(イー・トンシン)
『トリプルタップ』(イー・トンシン)

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*Comment

■>イワナミさん

いいですよねこの映画。
なかなか話題になることが少ない映画ですが、レスリーの代表作の1本でもあると思うんですが。
ほんとに惜しい人を失くしましたね・・・。
micchii |  2011.01.15(土) 23:53 |  URL |  【コメント編集】

■すごく良かった

すごく良かったです。
音楽が少々難ありって感じですが、映画全体に張りつめる緊張感とかたまらないものがありました。
死んで欲しい人がキチンと殺られるのは良いです。
特にあの刑事(いつもインチキしやがって)。
完全にレスリー目線で観てました、この映画。
『ワンナイト~』を観るのが楽しみです。
イワナミ |  2010.01.24(日) 22:06 |  URL |  【コメント編集】

■>カノ様

初めまして、コメントありがとうございます。
「観たくなる」と、何よりの嬉しいお言葉ありがとうございます!
自分は『ダブルタップ』→『ワンナイト イン モンコック』の順番で観たんですが、『ワンナイト~』は、先に『ダブルタップ』を観ているかどうかで、結構感じ方が違うように思います。フーとタンタンだけでなく、ミウ警部にもかなり感情移入してみることになりますので。
ほんとは『ダブルタップ』に続いて『ワンナイト~』をUPする予定だったところを、『愛の神、エロス』のDVDが届いたので先にそっちをUPしちゃったんですが、次は『ワンナイト~』をUPしようと思いますので、また読んでいただけたら嬉しいです。
micchii |  2005.12.28(水) 14:39 |  URL |  【コメント編集】

■はじめまして。

東雲さんの所よりお邪魔しました^-^

わ、なんて「観たくなる」レビュー。
私は「ワンナイトインモンコック」だけ観て
こちらを観ていません。レスリーの映画、
新米迷で観ていない方が多いため、何とか
初見は映画館で…と切望しているのですが
なかなか。ワンナイトでの人生に疲弊した
雰囲気のミウ警部の姿に「犯人を射殺」する
前はどんな警官だったのだろう、と考えず
におれませんでした。
カノ |  2005.12.27(火) 19:32 |  URL |  【コメント編集】

■>tonbori様

こちらこそお久しぶりです、コメントありがとうございます。
DVDの特典映像に練習風景が出てましたよね。二人とも凄く様になってました。
ミウ刑事、彼の心が休まる日はやってくるのか・・・。
人事ながら心配です(笑)
micchii |  2005.12.21(水) 12:08 |  URL |  【コメント編集】

おひさしぶりです。
おいらもコレ好きでしてDVD買った口です。
主演の2人も相当練習したようで銃の持ち方構え方が決まっていましたよね。
さすがに製作のジョー・チェン(あの射撃指導の警察官役の人)が香港のIPSCの射手だけのことはあるなと感心しました。
銃社会のアメリカでもあそこまで描いた作品は少ないんじゃないでしょうか?同じアレックス・フォンがリウ刑事役で出ている「ワンナイト・イン・モンコック」ではどうなのかエントリ楽しみにしています。
tonbori |  2005.12.21(水) 01:18 |  URL |  【コメント編集】

■>JB's様

ご指摘ありがとうございます!
どこかに書いてあったことをそれっぽく書いたんですが、見事に間違っていたようですね(恥)
ヘタに訂正するより、なくても問題ないので、早速削除しておきました。
本当にありがとうございました。
micchii |  2005.12.20(火) 13:03 |  URL |  【コメント編集】

■>zoecchi様

TB&コメントありがとうございます。
特典映像のインタビューで、監督業への思いを笑顔で語っているレスリーがほんとに印象的でした。
とてももうこの世にいないなんて思えませんよね。
そして、レスリーの最期を思う時、この映画はあまりにも切ないですよね・・・。
「ワンナイト・イン・モンコック」、今頑張って書いてます!
micchii |  2005.12.20(火) 13:00 |  URL |  【コメント編集】

■>hi-chan様

こちらこそTB&コメントありがとうございます。
またまた嬉しいコメントありがとうございます!
でも、ジョニー・トー作品の感想で涙ぐむということもないですからね(笑)
アレックス・フォンの演技はほんとに見事でしたよね。この映画のこともあってか、ひょっとしたら、彼にとってレスリーの死は、他の人とはちょっと違ったものを感じているかもしれませんね。
micchii |  2005.12.20(火) 12:55 |  URL |  【コメント編集】

ダブルタップは2連射自体を指します。
命中するかどうかは、また別の話(ミスターX風に)
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=327786&log=20041002
JB's |  2005.12.20(火) 10:41 |  URL |  【コメント編集】

■TB&コメントありがとうございました。

こんばんは~。
micchiiさんのレビューを読んで、hi-chanさんと同じでレスリーのことを思い出して胸が熱くなりました。
この映画は『鎗王』で『ザ・ミッション』は『鎗火』両方とも銃へのこだわりが強い作品なんですね。なるほど~面白いです。
「ワンナイト・イン・モンコック」のレビューも楽しみにしてますね。
zoecchi |  2005.12.19(月) 21:16 |  URL |  【コメント編集】

■こんにちは。

TB&コメントどうもでした!
この映画、かなり好きです。そのせいもあってか、久々にmicchiiさんのレビューを読んで、涙ぐみましたよ。
せつな~い気持ちが蘇ってきました・・・

レスリーとアレックスの演技に脱帽です。素晴らしい。クライマックスの映画館でのシーンは、レスリーから目が離せませんでした。
hi-chan |  2005.12.19(月) 14:24 |  URL |  【コメント編集】

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ここのところ『医龍』やら『ザ・ヒット・パレード』やら、TVをだらだら見ちまって全然エントリーを上げられない。これがスタンバっているというのに。 巷のノワール大好きブロガー(tonboriさんやmicchiiさん)が、ボンボンエントリーを上げている〈ダブルタップ / 鎗王
2006/05/28(日) 00:50:58 | 日刊【考える葦】Returns

「ダブルタップ」

ダブルタップ「鎗王」2000年 香港監督:ロー・チーリョン出演:レスリー・チャン アレックス・フォン ルビー・ウォン ヴィンセント・コク モニカ・チャン私にとっては「ワンナイト イン モンコック」とこの「ダブルタップ」は切り離せないものになって....
2005/12/19(月) 21:02:50 | 亜細亜的空間

ダブルタップ

レスリー・チャン、アレックス・フォン、ルビー・ウォン、ヴィンセント・コク、モニカ・チャン出演、ロー・チーリョン監督作品。かつて香港一の射撃の選手だったリック。一度は競技の世界から退いていたが、ふとしたきっかけから再び競技会に出場することに。大会当日、順調
2005/12/19(月) 14:13:42 | Movies!!

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