2005.08.08

『暗戦 デッドエンド』(ジョニー・トー)

暗戦 デッドエンド

『ザ・ミッション/非情の掟』『ヒーロー・ネバー・ダイ』に続いて、“男ならジョニー・トー!”(今命名しました)第3弾、『暗戦 デッドエンド』です。

この映画、稲本作蔵様には“男ならこれを観ろ!”へ投稿していただき、東雲様、hi-chan様、きえ様にはコメントのやりとりの中でお勧めしていただきました。
皆様、ありがとうございます!

さて、『ヒーロー・ネバー・ダイ』では“英雄は英雄を知る”というレオン・ライとラウ・チンワンでしたが、ラウ・チンワンは今回も登場。
そして今回、両雄のもう一方はアンディ・ラウ。

ラウ・チンワンを『ヒーロー・ネバー・ダイ』でしか観たことがない自分は、まずはスーツ姿もちゃんとキマるんだと感激。
しかも、テンガロンハットは被ってないし、太い葉巻もくわえてない、そして何よりあの口髭がない!(笑)

と妙なところでまずは感激してしまいましたが、今回のラウ・チンワンは“普通に”かっこいいです。

どこか抜けている上司に足を引っ張られる、できるホー刑事の役。

対してアンディ・ラウ。もうかっこよすぎます!
余命4週間の末期癌患者にして、抜群の知能を誇る犯罪者、この設定からしてもう完璧でしょう。

人質を取りビルの屋上に立てこもると、差し向けられた交渉人を拒否し、ホー刑事を指名。

これはゲームだ、72時間以内に俺を捕まえてみろ!

暗戦 デッドエンド アンディ・ラウ

銃を向ける警官たちを前に、余裕で消えるアンディ。

上司や他の刑事たちはアンディにいいようにあしらわれてしまいますが、一人負けていないホー刑事。

ビルから出たアンディがタクシーに乗ると読むと、運転手になりすまし待ち伏せ。
乗ってすぐ気づくアンディですが、こんな感じでたまらないアンディ・ラウ(以下アンディ)とラウ・チンワン(以下ラウ)のやりとり。

アンディの目的はお金ではなく実は…というストーリーもちゃんとあるんですが、この映画、話の展開を語る映画でもないでしょう。

ダントツで好きなのは、バスでのアンディと女性(『ヒーロー・ネバー・ダイ』ではレオン・ライの彼女だったヨーヨー・モン)のやりとり。

逃げるためにバスに乗ったアンディ。行く先には検問、そして大勢の警察。

通路の反対側に一人で座っている女性を見つけると、席を立ち隣に座るアンディ。

アンディが忍ばせている拳銃に気づく女。

女の肩を抱き「静かに」
この台詞を怖く言わないところがいいですね。

そして、自らのサングラスを女にかけると、女が聞いていたウォークマンのイヤホンの片方を自らの耳に。

そして、「もたれろ」
もちろん女の方は少しは怯えているんですが、怯えきってないのがいい。
男が自分に危害を加えるような男ではないと、彼女にはすぐにわかったことでしょう。

肩に回した手に力を入れるアンディ、アンディの肩にもたれかかる女。
まるで恋人同士のように、イヤホンを分け合って聞く二人。

暗戦 デッドエンド バスの中だけの恋人

無事検問を突破し、「ありがとう」と降りるアンディ。
サングラスを返し忘れたことに気づいた彼女は慌てて降り、後をつけます。

「尾行か?」と振り返るアンディに、「私の家よ」と嘘をつく女。そしてサングラスを返します。

偶然の再会はまたしてもバスの中。先に気づいたのは女の方。
アンディを見つめる表情が前回とは違います。

乗っているバスが警官に止まれと呼び止められ、アンディも女に気づきます。
無言で荷物をどけ隣の席を空ける女。

アンディが女の隣に移動すると、彼女は自ら腕を組みアンディの肩にもたれかかります。

二度目の、バスの中だけの恋人。

しかし実はバスが止められたのは、運転手の信号無視。
安堵の笑みを浮かべる二人。

運転手以外二人きりになった終点で共にバスを降り、レストランに入る二人。

「名前は?私はリュー」
「名前はない」
「新聞で読んだわ」
「どうも」
「いいえ」

「時間がない」
「どうして?」

グラスの水の中に喀血するアンディ。
「すまない」と立ち去るアンディ、真っ赤に染まったグラスを見つめる女。

『ヒーロー・ネバー・ダイ』でも二人の女性が泣かせてくれましたが、今回もたまりませんね。
熱い漢のやりとりだけでなく、こういう部分も抜群に素晴らしいジョニー・トー。

ある日ホー刑事がバスに乗ると、後ろの座席に座っていたのは例の女性。
彼女の首からかかっていたのは…。
これは観てのお楽しみということで。

この映画、もう一つの見せ場はアンディの変装。
インタビューで「街に出ても気づかれなかった」と語っていた老人姿はなかなかでしたが、「すごく醜かった」と語っていた女装には笑いました、醜くはないですが。

ぐっとくるはやっぱり時限爆弾をセットした車でのアンディとラウのシーンでしょう。

観てのお楽しみとしておきますが、アンディの“ニヤリ”には、男でも惚れます。

それにしてもジョニー・トー。
これが3本目ですが、3本ともど真ん中ストライク。
3本ともDVD欲しいなぁ…、というより絶対買います!
ただ、欧米メジャー映画なら1枚1000円で買えるこの時代に、ネットで2割引でも4000円は高いよなぁ…。
でも、カウリスマキに2万以上つぎ込んでいることを思えば妥当な値段か。

西にサム・ペキンパー、ロバート・アルドリッチ(二人とも故人ですが)あれば、東で迎え撃つのはジョニー・トーでしょう。
アジアも“韓流”なんかで騒いでいる場合ではありません。

必見。



暗戦 デッドエンド (暗戰) (Blu-ray) (香港版)暗戦 デッドエンド (暗戰) (Blu-ray) (香港版)


[原題]暗戰
1999/香港/90分
[監督]ジョニー・トー
[出演]アンディ・ラウ/ラウ・チンワン/ヨーヨー・モン/ラム・シュー/ホイ・シウホン/リー・チーホン/ルビー・ウォン

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『暗戦 デッドエンド』、新旧DVD&Blu-ray画質徹底比較!
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TB(8) CM(14) EDIT

*Comment

■>zoecchi様

TB&コメントありがとうございます。
返事遅れてすいません。
女性の方はこの映画のアンディのかっこよさにメロメロみたいですが、もちろんアンディはかっこいいですが、男としてはアンディとラウチンの間に生まれる友情がたまりません。
本来なら敵対するだけの男同士に生まれる奇妙な友情、これを描かせたらジョニー・トー監督は天下一品だと思います。
『ヒーロー・ネバー・ダイ』はその点がさらに凄いです。ぜひお楽しみに!
micchii |  2006.05.16(火) 11:29 |  URL |  【コメント編集】

micchiiさんこんばんは~やっとこの作品のレビューを上げたのでTBさせていただきます。
micchiiさんの言うようにジョニー・トー監督作品はぜひ男の人に観て欲しいって思いました。
私も男だったらどんな風に感じたんだろうってそれができないのが残念です。
でもこの映画のアンディさんとチンワンさんはとにかくカッコいい!それだけは太鼓判を押せます。いやそれだけでなく作品自体も最高ですね。感動しました。
次はヒーロー・ネバー・ダイだ~。
zoecchi |  2006.05.13(土) 00:04 |  URL |  【コメント編集】

■>リーチェン様

こちらこそTB&コメントありがとうございます。
思い入れが伝わって嬉しいです!今のところジョニー・トーBEST第3位、ほんとに大好きな映画です。
アンディは、サミーと組んでのラブコメも好きですが(特に『ダイエット・ラブ』)、こういうさりげない方があっているような気もします。
今でも歳のわりには十分若いですが、この頃はほんとにまだ若いですよね!
micchii |  2006.04.12(水) 13:28 |  URL |  【コメント編集】

micchiiさん、TB&コメントありがとうございました。
本作への思い入れが伝わる記事ですね!
本当に、そのシーンが蘇ってきます。
雰囲気のある2人のシーン、よかったですね。
それにしてもアンディーが若い!(爆)
リーチェン |  2006.04.11(火) 20:58 |  URL |  【コメント編集】

>hi-chan様
監督なり役者なりで続けて映画を観ると、どうしてもおいおいという作品もありますよね(笑)
ファンはそれでも愛さないとダメですが^^
『HERO』、DVDゲットされたんですね!
自分も買おうとは思ってるんですが、他にも買うのがありすぎて順番待ちです^^;
「気に入った映画をちょっとずつ集めようと思っています」、この精神が大切ですよね。
ちょっとずつどころではない勢いで増え続けています、1枚500円~1000円くらいで単価はたいしたことないんですが・・・。
『亡国のイージス』、ここまで来たらもう書くことがないくらい書いて、論文にでもまとめて下さい!(笑)
目指せ日本一の『亡国のイージス』レビュー!!
micchii |  2005.08.18(木) 12:21 |  URL |  【コメント編集】

■わははは。

>作品の出来での当たり外れの落差が凄いです(笑)
なるほど、分かります~。トニー祭りで観た映画でも、トニーうんぬんよりも、作品の出来に対して、なんじゃこりゃという、観ていて苦痛な映画もありました(苦笑)。
「Needing you」は、私も近くのレンタル屋には置いてないかもしれません。大きいTSUTAYAに行けばあるかな~
祭りのためにDVDを購入するのは、キツイですよね(笑)
私はやっと「HERO」を手に入れました♪
観て、気に入った映画をちょっとずつ集めようと思っています。

「亡国のイージス」・・・月曜日に観て、やっとお腹一杯担った感じです(大笑)。でも本当にしつこいので(汗)、レビューは書きません。書き出すとキリがないんですよ、ほんと(苦笑)。
hi-chan |  2005.08.17(水) 11:56 |  URL |  【コメント編集】

>hi-chan様
ジョニー・トゥ、今のところ製作を含めて8本観ましたが、個人的な好みでの当たり外れというより、作品の出来での当たり外れの落差が凄いです(笑)
『フルタイム・キラー』は自分もすぐに借りれるんですが、まだ観ていません。
反町隆史が出てる時点で微妙ですよね(笑)
『Needing you』はラブストーリーです。これは評判良いですよね。観たいんですが、レンタル置いてないんですよね~・・・。DVD買うとすごく高いですし。
『亡国のイージス』、まだまだ書き足りないんじゃないですか?(笑)
micchii |  2005.08.17(水) 10:37 |  URL |  【コメント編集】

■あと2本で打ち切りですか!?

ジョニー・トウ監督作品は、私的には、当たり外れがありそうです(笑)。
「PTU」はダメでした・・・。
「ヒーローネバーダイ」はもう少し後にとっておくとして、「フルタイムキラー」はすぐに借りれそうなので、そっちを先に観るかもしれません。でもこの映画の評判も微妙なようですね(汗)。
「Needing you」はラブストーリーなんでしょうか?こちらはなかなか評判が良いようですが、ラブストーリーが苦手は私はどうでしょう・・・

ちなみに今日また「亡国のイージス」を観に行く予定です。しつこいので、もうレビューは書きませんが(笑)。
hi-chan |  2005.08.15(月) 11:34 |  URL |  【コメント編集】

>hi-chan様
すいません、トニー祭りは「大英雄」でひとまず幕を閉じて、今は「亡国のイージス」祭りでしたよね^^;
トニー祭りが凄い本数だったので、対抗しようという意味で書いたんですが、よかったのは「ロンゲストナイト」までで、その後は観る度に不安になってきました(笑)
あと2本くらいで祭りは打ち切りの可能性が高いです・・・。
micchii |  2005.08.14(日) 11:49 |  URL |  【コメント編集】

■ジョニー・トウ祭り

楽しみです!
トニー・レオン祭りはとりあえず終了して、別の祭り中ですが・・・(笑)
hi-chan |  2005.08.12(金) 12:33 |  URL |  【コメント編集】

>hi-chan様
こちらこそTB&コメントありがとうございます。
ツボを突けたようで嬉しいです(笑)
「グッジョブ!」と親指立てるお気持ちわかります、あのシーンはかっこよすぎです!
トニー・レオン祭りに対抗して、ジョニー・トゥ祭り開催します!

>東雲様
コメントありがとうございます。
アンディの女装、受け渡しの凄く緊迫したシーンなのに、笑わずにはいられませんよね(笑)
ラウ・チンワン、はまってます!この次は『ロンゲストナイト』をUPしようと思います。
新作、気になりますよね。カンヌのコンペに出品されたというのが凄いですよね(笑)

>hana様
アンディの女装、「笑ってはいけない、シリアスなシーンなのに、笑いは抑えられませんでした!!」ってほんとそうですよね。

アンディ・ラウは今まで観た映画の中では一番かっこよかったです。
ラウ・チンワン、はまってます(笑)
ジョニー・トゥ、これからも続々とUPしていきたいと思います!
micchii |  2005.08.10(水) 12:51 |  URL |  【コメント編集】

■アンディの女装姿♪

しっかり写真貼ってありますね(笑)
キョーレツでした。案外きれいかも~♪なんて
思っちゃいましたが・・・。
ラストもとっても好きです。
「アンディって、ラウ・チンワンって、こんなにかっこよかった」??と思いました。
この二人の魅力を最大限に引き出したジョニー・トゥ
さすがです。
hana |  2005.08.09(火) 18:00 |  URL |  【コメント編集】

■“男ならジョニー・トウ”名言!

こんばんは~。お邪魔させて頂きます。
あの“ニヤリ”がたまりませんよね(笑)ある意味香港映画の鉄則?の女装も最高です。

ラウ・チンワンにン・ジャンユーにサイモン・ヤム。気になる俳優を私に増やさせてしまうジョニー・トウ監督…。新作も気になりますね~。
東雲 |  2005.08.08(月) 23:16 |  URL |  【コメント編集】

■こんにちは!

TB&コメントありがとうございました。
思っていた通り、ツボを突いたレビューで感激です!(笑)
せつな~い雰囲気のバスのシーンも好きだし、アンディのニヤリに「グッジョブ!」と親指立てちゃったし、肩の張った女装と、どう見ても男だろ、という歩き方に笑いました。

"男ならジョニー・トウ"っていいですね!(笑)
私もまた観たくなりました・・・DVD欲しいな~
hi-chan |  2005.08.08(月) 14:19 |  URL |  【コメント編集】

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