2005.03.16

『昼下りの決斗』(サム・ペキンパー)

昼下りの決斗

今回は、『ワイルドバンチ』に続いて2本目のサム・ペキンパー監督作品です。

この映画で引退した二人の西部劇スターによる、“老い”を見事に描いた作品。
“動”の『ワイルドバンチ』に一歩も引けをとらない、“静”の『昼下りの決斗』。

この映画、上映時間の3分の2ほどまでは、西部劇にとっては当たり前の撃ち合いも、派手なアクションシーンもほとんどありません。

昔を懐かしむ会話に浸る元保安官とかつての部下。二人とも忍び寄る老いは隠しようもありません。この二人の心のやりとりだけでも一級品。
若い男女の恋も多少は絡みますが、それはおまけでしかありません。

昼下りの決斗 ランドルフ・スコット ジョエル・マックリー

そして一番の主役と言ってしまってもいいのが、美しい映像の数々。
紅葉に色付く木々、馬を下りて手で引かなければならないほどの傾斜を見せる山々、広がる空。

中でも一番の傑作は、ハモンド兄弟が花嫁を連れて、馬に跨り合唱しながら式場に向かう、夜の結婚式のシーンでしょう。
鳥肌が立つ美しさ…。

“決斗”とつくからには決闘が素晴らしいのは言うまでもありません。
待ち構える3人の敵。
“正面から”歩を進める老いた二人。

ラストは涙なしでは観れません。

主人公二人の存在感には負けるものの、強烈な印象を残すのは、肩にカラスを乗せて登場するウォーレン・オーツ!(笑)

荒れ狂う銃撃戦も、噴き上げる血飛沫も、ペキンパー監督十八番の必殺のスローモーションもなくても、こんなにも“男”を感じさせてくれるなんて。

そして、こんなに泣ける西部劇があっていいんでしょうか。
当ブログで紹介している西部劇では、同じく“老い”を見事に描いた『黄色いリボン』に通じるものがありますが、ジョン・フォードの“枯淡の境地”と讃えられる『黄色いリボン』に勝るとも劣らないこんな凄い作品を、監督2作目で撮ってしまったサム・ペキンパー恐るべし!





[原題]Ride the High Country
1962/アメリカ/94分
[監督]サム・ペキンパー
[撮影]ルシアン・バラード
[出演]ランドルフ・スコット/ジョエル・マックリー/マリエット・ハートリー/ウォーレン・オーツ

→予告編 →他の映画の感想も読む

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『昼下りの決斗』のポスター集

 

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