2005.02.17

『狩人の夜』(チャールズ・ロートン)

狩人の夜

今回は、当ブログではビリー・ワイルダーの『情婦』を紹介しています名優チャールズ・ロートン、彼の唯一の監督作品『狩人の夜』です。

黒人霊歌モーゼスの歌声が響く時、悪夢のような夜が始まる…。

例によってサスペンスなので内容には触れせんが、この映画はなんといっても映像。

凄い映像に対しては、“言葉にならない美しさ”“溜息ものの美しさ”などという言葉がよく使われますが、この映画以外ではなかなか聞かない言葉の“魔術的映像美”。

ただ、実際に映画を観ると、他の言葉ではやっぱりしっくりきません、まさに魔術的映像美。

狩人の夜 星空

といっても、ホラー的な怖さではありません。
おとぎ話のようなシーンも出てくるように、いわゆる目で怖がらせる怖さではありません。

画面から滲み出ている不安感、怖れ、焦燥感、それらが死ぬほど怖い…。

その怖さの一角を担っているのがロバート・ミッチャム。
両の手に施された“LOVE”&“HATE”の入れ墨、どこからともなく聞こえてくる黒人霊歌モーゼス…。

狩人の夜 ロバート・ミッチャム

そのロバート・ミッチャムに立ち向かうのが、リリアン・ギッシュ。なんという組み合わせ!

『散り行く花』のいたいけな少女でもなく、『八月の鯨』の90歳になってもなお貫禄十分だった彼女でもなく、中年のリリアン・ギッシュ。

狩人の夜 リリアン・ギッシュ

興行的な大失敗のため二度とメガホンを取ることはなかったチャールズ・ロートン。彼の“二作目”が観てみたかったのは自分だけではないでしょう。

公開当時、批評家トリュフォーただ一人が絶賛したという、20年早過ぎた傑作。
伝説の魔術的映像美。



[原題]The Night of the Hunter
1955/アメリカ/93分
[監督]チャールズ・ロートン
[撮影]スタンリー・コルテス
[出演]ロバート・ミッチャム/リリアン・ギッシュ/シェリー・ウィンタース

→予告編 →他の映画の感想も読む

【関連記事】
『情婦』(ビリー・ワイルダー)

 

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*Comment

■>テコさん

ミッチャム、怖かったですよね~。
そうなんですよね、明らかに怖いというより、一見童話的な世界、そこに、ミッチャムのあのスリーピー・アイ。
だからこそ逆にじわじわと恐怖が忍び寄ってくる感じなんですよね。
この映画が1000円で買えていつでも観れるなんて、いい時代になりましたよね。
micchii |  2012.03.24(土) 22:24 |  URL |  【コメント編集】

■ミッチャムさん

怖いですよねー 子供相手に・・・
すごく映像が綺麗だから何とも言えない恐怖が忍び寄ってくる感じ、でも子供達が船に乗ってるシーンが音楽もいい!童話の世界
不思議な、何回も観たくなる映画です。
テコ |  2012.03.24(土) 20:29 |  URL |  【コメント編集】

■>よしぼうさん

たくさんDVD買われてますね~!羨ましいです・・・(涙)

ずいぶんと前に一度観たきりで、細かいことは全然覚えてませんが、“絵”は今でもいくつもはっきりと浮かぶんですよね。
それだけ、この映画の映像が持っている力は凄いものがあるんでしょうね。

おっしゃるように、ひどい目に遭っていないシェリー・ウィンターズって、ちょっと思いつかないですね(笑)
micchii |  2009.09.10(木) 12:52 |  URL |  【コメント編集】

■”魔術的映像美”

micchiiさんが”魔術的映像美”と熱烈に「攻撃」のところで勧めているので、これにも手を出しました。

普通のサスペンスのように始まりますが、
水の中のシェリー・ウィンターズの乱れ髪や、子供たちの船での逃避行あたりから、映画の性格がまるで変わりますね。
動物を使った演出も今では陳腐ですが、うまい。
確かに美しい映画ですね。
最後のオチは批判にも何もなってませんが、”牧師”って何だろうと考えるいい機会を与えてくれますね。

役者は、やはりギッシュ様につきますね。
それと、子役がものすごく上手ですね。
また、シェリー・ウィンターズって、かわいそうですね。ひどい目に遭ったり、殺されなかった映画がないような・・・。
ミッチャムは「恐怖の岬」では見るからにアブない狂人をやっていましたが、今回は一見普通の人に見えるのがポイントですね。じわじわ怖くなるところがイイですね。

確かにイイ映画を観たなと思います。

よしぼう |  2009.09.06(日) 23:23 |  URL |  【コメント編集】

>ボー・BJ・ジングルズ さん
初めまして、コメントありがとうございます!『狩人の夜』の文字に反応していただいて嬉しいです(笑)
ロバート・ミッチャム、おっしゃるように感情が読めない怖さがありますよね。。。
チャールズ・ロートン、きっと他にも素晴らしい作品を撮ってくれたでしょうけど、1本だからこそ伝説になったという面もやっぱりありますよね。
micchii(管理人) |  2005.02.18(金) 18:20 |  URL |  【コメント編集】

■マザーグースを悪夢的に

はじめまして。「狩人の夜」の文字を見かけて、やってきました(笑)。
これは何ともいえない怖さのある映画でした。
LOVE&HATEも印象深いし、ミッチャムが遠くで、こちらをうかがって、たたずんでいるシーンも怖い。スリーピー・アイのミッチャムだから感情が読めず、なおさら怖い。

こんな作品を作ったロートンは凄いです。結局、この伝説的な1作だけで終わってよかったのかも…。
ボー・BJ・ジングルズ |  2005.02.18(金) 00:55 |  URL |  【コメント編集】

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信仰心と欲望に精神を分裂させられた殺人鬼。そんなの魅力的なキャラを持ったな暗黒牧師が主人公の映画が1955年の作品『狩人の夜』です。アメリカの農村を舞台にした不思議なフィルム・ノワール。作家フラナリー・オコナーの世界にも通じるようなキリスト教にある意味で犠牲
2006/05/10(水) 02:43:36 | !!!!! 大佐日報 !!!!!

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