2005.02.11

『恐怖のメロディ』(クリント・イーストウッド)

恐怖のメロディ

今回は、前回の『続・夕陽のガンマン』からイーストウッドつながりで、彼の監督デビュー作『恐怖のメロディ』です。

セルジオ・レオーネのマカロニ・ウエスタンで一躍国際的スターになったイーストウッド、その初監督作品はなんとストーカーもの。当時ストーカーという概念はまだなかったみたいですが、ジェシカ・ウォルター怖すぎ…。

サスペンスなのでこれ以上内容には触れませんが、原題でもあるイブリンの台詞、「Play 『MISTY』 for me」。
この映画を観たことがある人にだけ通じる恐怖の電話。無言電話なんかより100倍怖い。ある日電話に出て相手がこう囁いた日には背筋が凍ります(笑)

あと、余分だと言われるロバータ・フラックの『愛は面影の中に』をバックに延々と続くトビーとのラブシーンですが、個人的にはブルース・サーティースの美しい映像を堪能できて大好きです。
映像といえば、オープニングとエンディングで対をなす空撮も溜息ものの美しさ。

しかし、この映画はなんといってもジェシカ・ウォルター。デイブとトビーを遠くから見つめる彼女の目線のカメラワークの怖さ、静から動へ切り換わった瞬間の狂気。滅茶苦茶怖い…。

恐怖のメロディ

内容に触れられなくて短い分、あとはイーストウッドとドン・シーゲルに語ってもらいましょう。
師匠ドン・シーゲルがバーテン役で登場するのはあまりにも有名ですが、イーストウッドにとって自らの監督としてのスタートである撮影初日の、しかも初めて撮るシーンが、演技経験ゼロの彼のシーンだったとか。

「自分より緊張している人に初日の撮影現場にいてほしいのだ」(クリント・イーストウッド)

「クリントは監督としては何の手助けもいらなかったが、あの役に私を起用した点だけは愚かだったね」(ドン・シーゲル)

愚かだなんてとんでもない、とっても良い味出しています。

あと、この映画はDVDの特典映像が凄く豪華で、30年後のイーストウッドやジェシカ・ウォルターやドナ・ミルズ(今でも可愛い!)などがたくさん語っていて、中でもイーストウッドが撮影現場でのドン・シーゲルとのやりとり(小さく切った台詞を書いた紙をそこらじゅうに貼ってカンニングしようとするドン・シーゲルを注意してやめさせたなど)を語るくだりは必見!

さらに、最近はまっているジョン・カサヴェテスですが、イーストウッドが笑いながらこう話していました。
「観に来てくれたカサヴェテスは言った、“ヒッチコックの名前が入ってないよ”と。彼は続けて言った、“名前さえ入っていれば大ヒットだ”とね」
これには笑いました(笑)

とても初監督作品とは思えない、一級品のサスペンス。



[原題]Play Misty for Me
1971/アメリカ/108分
[監督]クリント・イーストウッド
[撮影]ブルース・サーティース
[出演]クリント・イーストウッド/ジェシカ・ウォルター/ドナ・ミルズ/ドン・シーゲル

→予告編 →他の映画の感想も読む

 

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*Comment

>cassavetes69さん
イーストウッドとゴダール、同い年生まれなんですよね。カサヴェテスがその1年前というのは最近知ったんですが、固まってますよね。
1930年といえば、マックィーンもそうですよね。
マックィーン生きてたらどんな75歳になってたでしょうね。。。

イーストウッドとゴダール、これは前に本で読んだんですが、ゴダールがイーストウッドにトロフィーを渡す時に言ったという「あなた自身のままでいてください」という言葉にぐっときました。

イーストウッド、cassavetes69さんのように全部はまだ観てなくて、観てるのは半分ちょいくらいですが、他にも大好きな作品は多いので、おいおいアップしていけたらなぁと思います。

>りざふぃさん
「Play Misty for me」ほんとに怖すぎですよね。。。
いつか言って誰かを驚かしてみたいんですけどね(笑)
ドン・シーゲルの『白い肌の異常な夜』まだ観てませんが、『恐怖のメロディ』の特典映像にこの映画の映像が少し入ってました、ドン・シーゲルつながりで。
少し観たその映像だけでも十分異様さが伝わってきました(笑)
いつかちゃんと観たいと思います。
micchii(管理人) |  2005.02.15(火) 21:03 |  URL |  【コメント編集】

■いや~この映画ホント怖いっ>_<

私は随分前にスカパーでやっていた時に
初めて観たのですが…
彼女の「Play Misty for me」が頭から
離れません…
近年C・イーストウッドは素晴らしい監督
作品を生み出してはいるとは思いますが、
この処女作「恐怖のメロディ」を初めて観た
衝撃度に比べれば…
そうか。この頃は所謂ストーカーって言葉が
巷では浸透していなかった時代ですよね?
近年だと「危険な情事」なんかもそうですが
これは女性がマジで怖すぎっ。
同じ頃の作品で、ドン・シーゲルが監督で
イーストウッドが主演している「白い肌の
異常な夜」も何かタイトルどおり雰囲気が
異様っぽくって凄い作品だなぁと思って
ます^^
りざふぃ |  2005.02.14(月) 17:52 |  URL |  【コメント編集】

すっかりイーストウッドづいていますね。
このイーストウッドとカサヴェテスに、同年代のゴダールが賛辞を捧げる、というのがまた涙モノですね。

『恐怖のメロディ』はすごい処女作ですよ。
cassavetes69 |  2005.02.13(日) 15:09 |  URL |  【コメント編集】

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