2004.11.14

『コックと泥棒、その妻と愛人』(ピーター・グリーナウェイ)

コックと泥棒、その妻と愛人

今回は、衝撃度という点ではこれまでUPしてきた中でもダントツでトップな、ピーター・グリーナウェイ監督の独自の世界観の頂点と言われる作品。

前からずっと観たかった作品でしたが、噂に聞いていたことから想像していたことを超え、ぶっ飛びました!

内容は書けませんが、ネタバレになるという意味ではなく、とてもここに書けるような内容ではありません。

抽象的に書くと、金銭欲、食欲、性欲、そしてその先には…。

コックと泥棒、その妻と愛人


芸術と猥褻の限界というより猥褻の方に傾いている気がしますが(笑)、それでも、このコーナーでも何度か紹介しています双葉十三郎氏の『外国映画ぼくの500本』や、淀川長治氏の『淀川長治 究極の映画ベスト100』にも入っているこの作品。

確かに、ちょっと…という映像もありますが、それを補って余りある芸術性。

豪華絢爛なセット、ジャン=ポール・ゴルチエのこれまた豪華な衣装、そしてマイケル・ナイマンの悲しい旋律。

芸術性に圧倒されるか、生理的に受けつけないか、どちらかだと思いますが、怖いもの見たさにご覧になってみるのもいいかもしれません。ただ、食事の前に観るのだけは絶対にやめた方がいいです。

独自の世界観を突っ走るピーター・グリーナウェイの、ぶっ飛んだ傑作!



Apple Musicでサントラを聴く♪


[原題]The Cook the Thief His Wife & Her Lover
1989/イギリス・フランス/124分
[監督]ピーター・グリーナウェイ
[音楽]マイケル・ナイマン
[出演]リシャール・ボーランジェ/マイケル・ガンボン/ヘレン・ミレン

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2004.11.01

『我輩はカモである』(レオ・マッケリー)

我輩はカモである

マルクス兄弟初体験。
初体験にして彼らの代表作と言われている作品を観ましたが、とにかく全編笑いっぱなし。

財政難に陥ったフリードニア共和国は富豪のディスデル夫人に援助を依頼するが、彼女は愛人のルーファスが宰相になるのを条件にそれを承諾。
この政変の隙に隣国の指導者トレンティノはフリードニア乗っ取りを企み、チコリーニとピンキーのスパイコンビを送り込むが…。

こう書くとチャップリンの『独裁者』と同じような感じですが、あちらは床屋のシーンなどの傑作ギャグはあるものの、基本的にはヒューマニズムが印象として残りますが、こっちは、戦争を痛烈に皮肉ってはいるものの、ひたすら喋りとパントマイムでのギャグギャグギャグ。

毒舌をぶちまけ延々と喋り続ける三男グルーチョ、反対に一言も喋らず爆笑のパントマイムを披露する次男ハーポ、その間で絶妙にバランスを取る長男チコ、この中にあっては唯一まともそうな四男ゼッポ。
ほんとに実の兄弟なの?と疑いたくなる個性の違い。

我輩はカモである

チコとハーポがピーナツ売りの屋台で、隣の屋台のおじさんと繰り広げる帽子の取り合いなど、抱腹絶倒の傑作ギャグの連続ですが、一番ウケたのは、グルーチョとチコの鏡でのやりとり。

チコはグルーチョの全身が映る鏡を割ってしまいます。粉々になってしまって鏡はもうそこにはありません。
しかし鏡が割れていることを知らないグルーチョが鏡があるものと思ってそこを見ると、ちゃんと映っています。

鏡が一瞬にして直ったわけではもちろんなくて、目の前でチコがちゃんと真似をしているのです、しかもちゃんと左右反対に!
あれっ!?何かが違うなと疑ったグルーチョは、鏡を試すかのように、一瞬鏡からそれてまた現れたり、次々に変な動きをしてみたり。

他の人が同じようなことをやっているのを何度か見たことがありますが、70年も前にすでにやっていたなんて!しかも、今回のがダントツで面白い!!

抱腹絶倒の1時間強ですが、唯一の欠点は、グルーチョの喋りが凄まじすぎて字幕を読むスピードが追いつかないこと。
ハーポのパントマイムは、今まで見たパントマイムの中で一番笑えました。

大好きなビリー・ワイルダー監督も敬愛してやまないというマルクス兄弟、70年という歳月をまったく感じさせない奇跡的傑作。



[原題]Duck Soup
1933/アメリカ/69分
[監督]レオ・マッケリー
[出演]グルーチョ・マルクス/チコ・マルクス/ハーポ・マルクス/ゼッポ・マルクス

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