TOP > ARCHIVE − 2004年09月

『俺たちに明日はない』(1967/アーサー・ペン) 

当ブログでは、『華麗なる賭け』『タワーリング・インフェルノ』に続いて、3本目のフェイ・ダナウェイ出演作品です。

“アメリカン・ニューシネマの先駆的傑作”などと言われますが、そんな大げさなことはどうでもよくて、とにかくかっこいいの一言。

そして、『ワイルドバンチ』同様、自分の好きなパターンである“滅びの美学”。

「フォギー・マウンテン・ブレイク・ダウン」の軽快なメロディのおかげか、前半は犯罪を犯しながらものどかなロードムービーという感じもなくはないですが、物語も終盤、“どうしようもなさ”が痛いほど伝わってきて胸が痛くなります。

俺たちに明日はない50


それを決定づけたのがボニーのお母さんのこの一言。お母さんの家の近くに家を持ちたいという二人に対し、そんなのすぐに捕まっちゃうからとても無理だよと言ったあとに、「一生逃げ回るしかないよ そうだろ?」。この一言はほんとに強烈。これを聞いたフェイ・ダナウェイの表情も見事の一言。

そして、あまりにも有名なラストですが、それ以外にも名シーンには事欠きません。

まずは、クライドがボニーに一緒に行こうと誘う時のこの一言。冒頭のシーンの仕草に見事に表現されていたように、ボニーはウェイトレスをしている今のつまらない生活に飽き飽きしていて、なんとかそこから抜け出せないものかとそう思っているわけですが、それに対してこの一言。「君はただの女じゃない、僕と一緒に何かを求め続ける女だ」。会ってすぐの人にこんなことを言われたら、ボニーじゃなくてもぐらりとくるでしょう。大好きなセリフ。

銀行の差し押さえの看板を撃つシーンも大好き。ただの犯罪者といえば犯罪者のクライドですが、こういう細かいシーンによってそれだけではなく描かれているところが見事。そしてこのシーンは、1930年代の大不況の時代背景を一発で理解させてくれるという点でも重要なシーン。

さらに、ボニーが書いた二人のことを書いた詩に対して言ったクライドのこのセリフ。「これが僕の一生だ、これで全部だ、それを君が書いてくれた、世間の語り草に」。泣けます・・・。そして、二人が始めての愛を交す時、詩が載った新聞が風に舞う草原の美しさといったらもうありません。

ラスト近く、ボニーがクライドに「明日、ここを出られて、真人間の暮らしができたら?」と言うくだりもきます・・・。

そして、あまりにも有名なラスト。衝撃とか圧巻とかいう言葉ではまったく役不足です。今観てこれですから、当時リアルタイムでこれを観た人が受けた衝撃は、想像の域を越えていることでしょう。

羽ばたく鳥の群れ、静寂、見つめ合う二人のアップ、87発の銃弾の嵐、静寂、感情移入する暇もなく、我に返った頃にはすでに容赦なく「THE END」。パーフェクト。

見つめ合う二人の表情はほんとに何とも言えません。それでもフェイ・ダナウェイの表情には確かに微笑みが。このフェイ・ダナウェイの表情はずっと忘れることはないでしょう。

そして、主演の二人の他にも、若き日のジーン・ハックマンに、ボニーだけでなく観客までも怒りに狂わせる見事な演技でアカデミー助演女優賞を獲得したエステル・パーソンズ。

そして何より凄いのは、これが実話だということ。ラストのシーンについては実際の記録フィルムが残っていて、実際には87発どころではなく、もっと凄惨な死体だったとのこと。作り話だとしても十分に凄いのに、実話だなんて・・・。それを考えるとほんとに鳥肌モノ。

俺たちに明日はない俺たちに明日はない


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俺たちに明日はない [Blu-ray]俺たちに明日はない [Blu-ray]

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Bonnie and Clyde
1967/アメリカ/112分
【監督】アーサー・ペン
【出演】ウォーレン・ベイティ/フェイ・ダナウェイ/ジーン・ハックマン

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『ボウリング・フォー・コロンバイン』(2002/マイケル・ムーア) 

カンヌ映画祭で前例のない20分間に及ぶスタンディングオベーションが起こり、審査委員長デヴィッド・リンチが急遽特別賞を作ったという、その事実に違わぬ、噂どおりの衝撃作でした。

タイトルの通り、コロンバイン高校で起きた銃乱射事件がメインなわけですが、なぜアメリカ社会から銃が無くならないのかというのは昔から言われてきたことで、よく言われているのは建国以来の歴史や、武器の製造、販売、そして輸出が基幹産業となっているため、利益を生むからというもの。
自分の中での認識も、その程度のものでした。

あの事件が起こった時に、メディアや専門家たちが挙げた原因というのも、映画やテレビやゲームにおけるバイオレンスの氾濫、離婚などの家庭の崩壊、そして貧困や高い失業率などなど。
それらも原因の一つではあり間違ってはいないのでしょうが、この映画ではそれらに簡単に反論してくれます。ゲームは日本の方が遥かに進んでいるし、離婚率はイギリスの方が高く、アメリカよりも貧困や失業にあえいでいる国は当然あると。
それなのに、アメリカだけなぜ銃犯罪がずば抜けて多いのかと。

銃がなぜ無くならないのかという問いとともに、なぜ銃犯罪の数がアメリカだけ飛びぬけているのかという問いについては、自分の中では、銃の所持率がずば抜けて高いからその分銃犯罪も多いんだと思ってたんですが、これもいとも簡単に覆されてしまいました。
カナダとの比較が出てきますが、カナダでは国民の銃所持率はむしろアメリカより多いのです。それでも、銃犯罪による死亡者はアメリカの約百分の一。
銃がたくさんある=銃犯罪による死亡者も多いという自分の中の図式は、いとも簡単に破られてしまいました。

先ほども書いたように、識者たちが挙げる原因が説得力をもたない中、他の国々が銃による死亡者が年間100人にも及ばす、多くても数百人代なのに対し、アメリカだけは軽く1万人を越えているわけです。
ただ銃が多いということが理由ではないということがわかったら、行き着く先は“アメリカ”そのものに理由があると考えるしかないとマイケル・ムーア。
そして、行き着いた先が、“恐怖”でした。

彼のインタビューにわかりやすい言葉が。
「恐怖のせいだ。人は普通、貧しい人を見ると可哀そうだと思う。ところがアメリカ人は貧しい人たちを見ると『何かされそうで怖い』と思うんだ。ひどい個人主義だ。」。

建国以来常に何かに怯えてきたアメリカ。この、常に何かに怯えてきたアメリカの歴史というのは、アニメによって表現されていますが、このアニメの部分にこの問題の本質がすべて含まれていると言ってしまってもいいほど、ほんとにこのアニメは良く出来ていました。
本や歴史の授業なんかより遥かにわかりやすく、そして核心をついており、説得力も十分。

イギリス人を恐れ、インディアンを恐れ、それに勝つと今度は仲間内で恐れ、黒人を恐れ、常にその恐怖に勝つために武器すなわち銃を必要としてきた白人たち。
黒人は、報復するどころか、ただ平和に暮らしたかっただけなのに・・・。

建国以来まだ300年にも満たない歴史しかないアメリカですが、この歴史がないというのは結構大きいと思います。
最近、アメリカはイラク問題について意見の対立するドイツやフランスのことを、“古い欧州”と非難していますが、当のドイツやフランスにとってみれば“古さ”はむしろ誇りであり、国連の場でも、中国の代表が「四千年の歴史を持つ古い国から忠告をさせていただきます」みたいな言葉で、強烈な皮肉を浴びせました。

しかし、歴史がないということはアメリカ自身が誰よりもわかっていて、歴史や伝統がないかわりに、“力”に走るしかないのです。
それは言ってしまえば、“余裕のなさ”ではないかと思います。力を誇示して世界に影響力を及ぼさないことには、どんと構えていられるだけの“余裕”がアメリカには感じられません。
そういう点では、欧州の諸国には余裕が感じられます。

そして、問題の核心が“恐怖”にあると誰よりも見抜いていたのが、マリリン・マンソンでした。コロンバイン高校の事件の犯人が心酔していたため、この事件が彼のせいだとされ、コンサートの中止にまで追い込まれたわけですが、彼へのインタビューにびっくり。

その普段のパフォーマンスからは想像できないインタビューへの受け答え、そして話すその内容。
すべての根源にあるのが“恐怖”だとズバリ見抜いている彼、マイケル・ムーアも「彼のおかげで映画のテーマが見えてきた」と語っているように、マリリン・マンソンが語ったことが一番核心をついていました。

問題の本質は恐怖にあり、それにおおいに関わっているのがメディアであると。
「メディアは恐怖と消費の一大キャンペーンをつくりだす。そしてこのキャンペーンは、人々を恐がらせることによって消費へと向かわせようとする発想に基づいている。その恐怖心が人を銃に向かわせるのだ」と。

この、メディアの影響力についても、とてもわかりやすく描かれていました。
メディアはもちろん流すニュースを“選択”できるわけですが、日本でもよくやっている「警察密着24時間」みたいな番組では、なぜか容疑者は黒人ばかりで、黒人が警察に手錠をかけられるシーンだけがひたすら流され、これによって、何かあったらまず黒人の仕業だと、無意識に皆がそう思ってしまうまでにすでに刷り込みが行われているのです。
この刷り込みはほんとに恐ろしいものだと改めて思わされました。

映像のもつ影響力という点では、Kマートを弾丸の販売中止に追い込んだエピソードも圧巻。
企業にとっては、映像によって流れる企業イメージが何よりも大事、そのことをちゃんと見抜いているマイケル・ムーアが採った手段が、コロンバイン高校の事件の被害者と一緒に、Kマート本部へ突撃取材に行くというもの。
しかし、予想通り、広報担当が「社長でないと答えられない」とお決まりの回答。

ところが、翌日にマスコミと一緒にまた行くからと言い残しておくと、なんとKマートの方から、3ヶ月かけて段階的に販売を中止するとマスコミに対し発表。これには当のマイケル・ムーアもびっくり!

どんな偉い人が声高に叫んだところで実現はしそうにないところを、カメラ一つの突撃取材によって実現してしまったのです。
何をしようが結局自分たちの力では世の中なんて変えられない、そんな風潮を吹き飛ばすかのように、“世の中を変えられる”ということを実感させてくれるシーンでした。

ボウリング・フォー・コロンバイン50


他には、先ほどカナダとの比較という話が少し出てきましたが、カナダ人へのインタビューも、アメリカ人が持つ“恐怖”というものをより鮮明にするものでした。

カナダでは田舎はもちろん、大都会でさえ、みんな家の鍵を閉めることなどしないそうです。
それで現に強盗に入られたと言っている人もいましたが、それでもその後も鍵を閉めることなどしていない様子。

カナダ人が言っていたことがとても印象的でした。
「鍵を閉めるということは、自分自身を閉じ込めることだ」。
カナダの人たちは、アメリカ人は何をそんなに恐れているの?と不思議がっていました。

クライマックスは、NRA(全米ライフル協会)会長チャールトン・ヘストンへのアポなし突撃取材。
チャールトン・ヘストンといえば、個人的には最後にお目にかかったのはティム・バートン版『猿の惑星』でしたが、こんなこともしていたのとまずはびっくり。

それにしてもこのNRA、強力な銃保持政治圧力団体であるこの団体は、全米各地で銃規制運動潰しに動き回り、コロンバイン高校の事件の直後にも、悲しみに沈む住民の感情を逆なでするかのように、現地で大規模な集会を開いたのです。

これには開いた口が塞がりませんが、ブッシュ大統領の父であるブッシュ元大統領も会員であったことからもわかるように、共和党の強力な支持母体でもあるこの団体、現政権の性格の一端もこういったところに伺われます。

そして、マイケル・ムーアのインタビューに対し、言葉を濁しながら答え、最後には途中で取材を打ち切って席を立ってしまったチャールトン・ヘストン。
その後ろ姿は、哀れ以外のなにものでもありませんでした。

コロンバイン高校の事件と並んで登場する、フリントでの殺人事件については、事件の事実自体がまさに衝撃。
当時ずいぶんとニュースにもなりましたが、6歳の少年が6歳の少女を銃で殺害したのです・・・。この事実だけですでに十分でしょう。

それにしても、ジーパン、Tシャツ、野球帽といったラフな格好で、カメラ一つで突撃取材に行くマイケル・ムーア。
「なぜ?」というその姿勢と、圧倒的な行動力にほんとに脱帽。

最後に、カンヌでは絶大な評価を受けた本作品ですが、肝心のアメリカ人はこれを観てどう思うのでしょうか。
みんながみんなデヴィッド・リンチのように感じれば、今頃こんなことにはなっていないでしょうが・・・。

良いとか悪いとかを超えて、現代に生きる人すべて必見と言ってしまってもいいほど、この映画だけは、“観るべき”1本だと思います。

ボウリング・フォー・コロンバイン マイケル・ムーア アポなしBOXボウリング・フォー・コロンバイン マイケル・ムーア アポなしBOX

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Bowling for Columbine
2002/カナダ・アメリカ/120分
【監督】マイケル・ムーア
【出演】マイケル・ムーア/チャールトン・ヘストン/マリリン・マンソン

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[ 2004/09/27 ] その他の映画 | TB(2) | CM(4) | 編集

『タワーリング・インフェルノ』(1974/ジョン・ギラーミン、アーウィン・アレン) 

『華麗なる賭け』に続いて2本目のスティーヴ・マックィーン出演作。そして今さら説明不要のパニック映画の金字塔。

サンフランシスコに138階建ての“グラス・タワー”が完成。落成パーティーの最中に81階の倉庫から出火。しかし、何も知らない出席者たちは、楽しい一時を過ごす・・・。

スティーヴ・マックィーン出演作と書きましたが、この映画の凄い点の一つはなんといっても超豪華出演陣。スティーヴ・マックィーンとポール・ニューマンの共演というだけでも夢のようですが、ウィリアム・ホールデン、フェイ・ダナウェイ、フレッド・アステア、O・J・シンプソンなどなど・・・。それぞれが主役を張れる面々で、それぞれに見せ場が用意されています。

まずはこのビルの社長ウィリアム・ホールデンと、その義理の息子で工事を担当したリチャード・チェンバレン。全観客を敵に回す役どころですが、二人ともその憎たらしさが最高。

火事もリチャード・チェンバレンの手抜き工事が原因の人災、しかも並みの手抜き工事ではなく、おいおいそんなのありかよという手抜き工事。仕様が違う部品を使い、スプリンクラーなどもまったく機能せず。

それでいて、ウィリアム・ホールデンは「最新の防災システムを全て備えたビルだ」「最新のこのビルなら延焼などしない」などなど、ぬけぬけと言い放つわけです。こういうセリフ一つ一つが観ているこちらの心に火をつけ、彼らへの憎しみがませば増すほど主演の二人が引き立ちます。

そして完全な憎まれ役のリチャード・チェンバレンは、観客の胸をスッキリさせるべく、見事に散ってくれます。

さらに三流の詐欺師フレッド・アステア。今回はその見事なダンスは披露されませんが、存在感は抜群。彼とジェニファー・ジョーンズのロマンスが、この映画に彩りを与えています。ラストのフレッド・アステアの姿にはしびれます・・・。

さらに、不倫相手と逃げ場のないところに取り残され、助からないことを悟った時、「二人のことは永遠に秘密」という彼女の言葉に、助けを呼びに一人火の海に飛び込んでいったロバート・ワグナー・・・。

そして、もうひとつの主役である火事ですが、映画序盤ですでに出火しているにも関わらず、何も知らずにパーティーが行われているという、観ているこちらにだけわかる緊迫感がたまりません。火事の現場で必死になっている人々がいる一方で、最上階のパーティー場では、モーリン・マクガバンの『愛のテーマ』が歌われていたりするわけです。アカデミー主題歌賞も受賞したこの曲、最高に素敵です。

音楽は『ジョーズ』や『スター・ウォーズ』のあのジョン・ウィリアムズですが、オープニングのヘリコプターのシーンの音楽と、クライマックスの音楽はともにかっこよすぎます!
そして、序盤はポール・ニューマンが完全に主役ですが、物語も3分の1あたりを迎えたところで、消防隊長のスティーヴ・マックィーン登場。

タワーリング・インフェルノ51


普通隊長は全体の指揮をとり自らは最前線には出向かないでしょうが、この隊長すべて一人でやってしまいます。プロジェクトXで放送されたホテル・ニュージャパンの火災の時の消防士の話でも、隊長自ら飛び込んでいったわけですが、スティーヴ・マックィーンはその上をいっています。あの活躍なら部下はいらないでしょう。

それにしてもスティーヴ・マックィーンかっこよすぎ!あのポール・ニューマンの存在感を薄れさせてしまうほど、その存在感は他を寄せつけません。

そして、彼は多くを語りません。黙々と、言葉ではなく行動で語る男。その分、ぽつりと語られる一言がどれもしびれます。ラスト近く、一か八かの手段に出る時、「爆薬をどう運ぶ?」と尋ねるポール・ニューマンに対し、「バカな消防士が運ぶよ」。う〜ん、しびれます・・・。他にも「このビルだけは燃えないと思っていた」などなど。

そして、やっぱりポール・ニューマンとのこのやりとりでしょう。「俺は火と戦い、死体運びさ、安全なビルの建て方を聞かれるまで」「それじゃ、教えを請うよ」「今度、電話しろ。またな、設計屋」。このやりとりほんとに最高です。

タワーリング・インフェルノ50


そして、ラストの爆破シーンはまさに圧巻。爆弾のタイマーが時を刻む中、柱などに体を縛りその時を待つ人々。その表情を順にとらえるシーンの緊張感は凄まじいものがあります。

そして、貿易センタービルのあの惨事を思う時、スティーヴ・マックィーンの「今にこんなビルで1万人の死者が出るぞ」のセリフは、30年前にすでに超高層ビルの惨事を警告していて、ゾクリとさせられます。しかし、普通に考えればあんな高いビルで火事などが起きた時、全員が無事逃げられるわけもなく、この映画が発した警告は、今もなお克服されていないということでしょう。

貿易センタービルの惨事の時にも、ビルの中ではこのようなパニックが起きていたのかと思うと、胸が締め付けられます。そして、あの時一躍ヒーローになった消防士ですが、改めて頭が下がります・・・。

最後にちょっとしたエピソードを一つ。冒頭に出てくるクレジットですが、共にスーパースターのスティーヴ・マックィーンとポール・ニューマン。クレジットの順番をどちらを先にするかでスタッフは相当悩んだとのこと。クレジットは名前が先に出てくる方が主演であり、複数の名前を同時に出す場合は、左(上)から右(下)と序列が決まっていて、二人同時に出すことはすぐに決まったものの、どちらを左にするかで揉め、苦肉の策として用いられたのが、左マックィーン右ニューマンとしながら、右側のニューマンをマックィーンよりも上にするというもの。確かによく見るとそうなっています。

それぐらい揉めるほど、めったに拝めないスーパースター同士の共演。さらに豪華共演陣と最高の音楽とくれば、これを見逃す手はありません。間違いなく必見です!

タワーリング・インフェルノ スペシャル・エディションタワーリング・インフェルノ スペシャル・エディション


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タワーリング・インフェルノ〜グレイト・デザスター・ムービーズタワーリング・インフェルノ〜グレイト・デザスター・ムービーズ
サントラ

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The Towering Inferno
1974/アメリカ/165分
【監督】ジョン・ギラーミン/アーウィン・アレン
【音楽】ジョン・ウィリアムズ
【出演】スティーヴ・マックィーン/ポール・ニューマン/フェイ・ダナウェイ

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『めぐり逢う大地』(2000/マイケル・ウィンターボトム) 

今回は、当ブログでは初登場ながら大好きな監督の1人マイケル・ウィンターボトムの『めぐり逢う大地』です。

1867年アメリカ西部、カリフォルニア州のシエラネバダ山脈。ゴールドラッシュによって生まれた町“キングダム・カム”。1人の男によって支配されるこの町を訪れた3人の男女によって、運命は大きく動き出す・・・。

1867年ということは、この前紹介した『ギャング・オブ・ニューヨーク』とまさに時代が重なっています。あの映画のラストでの暴動が起きたのが1863年ですから、10年と変わりません。そして、あの映画でキャメロン・ディアス扮するジェニーが、最後の決闘の前に、アムステルダムに「サンフランシスコに行きましょう」と誘っていました。そのジェニーが目指した地、ゴールドラッシュに沸く西部が今回の舞台です。

そして、“天国”を意味するこの町を支配する1人の男。ゴールドラッシュの成功者の1人である彼は、巨額の富を手に入れ、今やこの町では文字どおり“キング”として君臨しています。しかし、彼がその富と引き換えに失ったもの、過去に行われた“取引”はあまりにも強烈です。ここではそれは伏せておきます。

そんな彼が支配する町に現れた3人の男女、1人は鉄道の測量隊の主任技師。この頃のアメリカでは東西から鉄道を敷き、真ん中で合流させようと言う大陸横断鉄道の建設の途中だったわけですが、この町に鉄道を通すかどうか、その測量にきたわけです。鉄道が通るかどうかは町の将来を決めます。

残りの2人がエレーナとホープの親子。彼ら2人は“親戚”に会いに来たというだけで、初めは詳しいことはわかりませんが、これも後々明らかになっていきます。

そして、この2人と共に、物語で大きな役割を果たすのが、ミラ・ジョヴォヴィッチ扮する酒場の女主人でもあり、“キング”の女でもある女性。ミラ・ジョヴォヴィッチが歌うファド(ポルトガル民謡)は絶品です。これを聞くだけでも、この映画を観る価値は十分にあります。



そして、偶然の“めぐり逢い”が実は偶然ではないと解り始めたとき、時代がゴールドラッシュから大陸鉄道の時代へと大きく変わり始めた時、“キング”の没落が始まります。冒頭に触れた“取引”、その贖罪にすべてを賭ける“キング”、しかし彼が払った代償はあまりにも大きかったのです。

ラスト近く、彼が自らの“キングダム”に火を放つシーンの、彼の表情は言葉で説明するのは不可能です。すべてを手に入れ、そしてすべてを失った男。そして彼の贖罪も、“取引”によって得た富のすべてと、そして自らの命まで神に差し出した時、彼が一番聞きたかった一言「お父さん」が、初めて彼に投げかけられます。しかし彼はもはやその言葉を聞くことはできません。このシーンにはほんとに震えました・・・。

そして、『ギャング・オブ・ニューヨーク』と同じように、今回も移民の物語でもあります。“キング”はアイルランド、エレーナはポーランド、そして先ほどの女主人はポルトガル、測量技師はスコットランドなどなど。ファドを歌ったルシアが、自らが作った新しい町につけた名前が、故郷「リズボア」でした。このシーンも最高です。

『ギャング・オブ・ニューヨーク』もこの映画も、アメリカがまだ国として完成される前の話。ヨーロッパの国々と違って、アメリカには国家としての歴史がまだ200年ほどしかありません。この2本の映画の背景もたった150年前です。そして、自らの手で町を作るということ、国を作るということ。その圧倒的なエネルギーに何よりも打たれます。

国を作るその歴史の中で消えていった、無数の名もなき命。しかし、古い時代と共に“キング”がその命を引き取ったまさにその時に、次の世代は新しい一歩を歩み始めたのです。

消えていった人々の精神と希望は次の世代に受け継がれていくんだと、そんな思いを込めてウィンターボトムが娘につけた名前、それが“ホープ”。この名前がこの映画のすべてでした。

めぐり逢う大地めぐり逢う大地


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The Claim
2000/イギリス・フランス・カナダ/121分
【監督】マイケル・ウィンターボトム
【原作】トーマス・ハーディ
【音楽】マイケル・ナイマン
【出演】ミラ・ジョヴォヴィッチ/ナターシャ・キンスキー/ピーター・ミュラン

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『SWEET SIXTEEN』(2002/ケン・ローチ) 

当ブログでは、『ケス』『ブレッド&ローズ』に続いて3度目の登場となるケン・ローチ監督作品です。

15歳のリアムの夢は、間もなく刑務所から出所する母、母を嫌って家出した姉、その子供と4人で一緒に暮らすため、自分の家を手に入れること。
しかし、そんな大金があるはずもなく、親友のピンボールと共に、母のボーイフレンドが隠しているドラッグを手に入れ、それを売って家購入のための資金を作ろうとするが・・・。

この前紹介しました『ブレッド&ローズ』では舞台をアメリカに移したケン・ローチでしたが、今回はまた舞台をイギリスに戻し、そして少年が主人公というのも、『ケス』以来。

主人公は『ケス』の時と同じ15才の少年。ほんとにどこにでもいる普通の少年。
しかし、彼をとりまく環境は相変わらず劣悪です。暴力、ドラッグ、貧困、家族問題。

しかも、ここで描かれているのは、決して誇張した社会の姿ではなく、パンフレットによると、実際にスコットランドでは、毎年4万人以上の子供が退学になり、1万1千人以上の子供が保護を受け、うち75%が卒業証書を得ずに中途退学、大学へ進学するのは1%に満たない、10代の妊娠率がヨーロッパで一番高いなどなど、紛れもない現実がそこにはあるようです。

そんな中、彼が抱く夢は、もうすぐ刑務所から出所してくる母親と、10代にしてシングルマザーの姉とその1歳の息子との、ささやかな4人での家庭生活。
決してだいそれたことを望んでいるのではなく、ただ家族仲良く幸せに暮らすこと。

しかし、それすら叶えさせてくれない厳然と立ちはだかる現実。
多くのシーンから彼の母親への愛情が痛いほど伝わってくるだけに、それがわかればわかるほど、それを許さない社会に胸が締めつけられます。

そして今回も、主人公を演じているのが当時プロサッカー選手だった17歳の少年というように、出演者のほとんどは演技経験ゼロ。
しかし、カンヌ映画祭で英語の映画なのに英語の字幕がついたというくらい、スコットランド訛りの英語は理解不能ですし、いくらプロの役者といえどあそこまでのリアリティーは出せないと思うので、実際舞台になった街に住んでいる人たちだからこそのリアリティーでしょう。

SWEET SIXTEEN50


リアリティーという点では、この当ブログでマイク・リー監督の『秘密と嘘』について書いた時に、待ち合わせのシーンで実際撮影まで相手が誰だか知らされてなかったため、驚いたシーンのリアリティーはずば抜けていたというのを書きましたが、そんなマイク・リーも尊敬してやまないケン・ローチ、彼も負けていません。

脚本はあるものの、完成台本は渡されず、毎日少しずつ、しかも自分の部分だけをもらうということで、今回の作品でも、重要なシーンであるリアムが一人前の男か試されるために殺しを命じられるものの、実はほんとに殺すのではなく彼を試すためだったため直前で止められるシーン、彼の夢だった家が焼かれているのを目の当たりにするシーン、共にカメラが回るまで止められることも家が焼けていることも知らなかったという徹底ぶり。

主演のマーティン・コムストンも「展開を知らされずにやるのは役そのものを生きているような気がして、次はどうなるのか楽しみでワクワクした」と言っているように、ただでさえ素人なことに加え、ありのままの自分でぶつかるしかないわけで、そこにわざとらしさなど入り込む余地があるわけありません。ここらへんの演出はほんとにずば抜けています。

そして『ケス』でも救いのないエンディング、しかも突然映像がぶつりと途切れるというエンディングでしたが、その時には現実はそういうものだと、たまにはこういうエンディングがあってもいいと書きましたが、本作の脚本家も「リアムのような少年たちの物語を描くなら、悲劇は避けられない。ハッピーエンドに終わらせることなんて不可能なんだ。嘘になってしまうからね。」と語っているように、今回もリアムの夢見るささやかな幸せ通りに現実はそう簡単にはいってくれません。

16歳の誕生日を迎えた彼が1人海辺を彷徨うラストシーン。彼のこれからが今までと変わらず困難なものであることは想像に難くありません。
しかし、観ているこちらとしては、突き放されて終わりという『ケス』とは違い、今回のラストシーンにはわずかながらも希望が残っています。

そして、ケン・ローチを始めとするイギリス映画が、社会に対して批判をしているだけではないというのは当ブログでも何回も書いていることですが、冒頭の「出て行け“サイモンとガーファンクル”」「カッカするなよ。血圧あがるぜ。あばよ、“ミセス・ロビンソン”」の会話などなど、もちろんユーモアも忘れていません。

さらに、チームの援助までしているほどの大のサッカーファンでもあるケン・ローチ、本作でも主人公の少年がサッカー選手ということからも、もちろんサッカーボールを蹴るシーンが出てきますが、『少林サッカー』『ミーン・マシーン』みたいにそのままというわけではありませんが、サッカーへの思いに溢れています。

この当ブログでイギリス映画のことを書く時に何度も書いています“悲哀とユーモアのバランス”、その頂点に立つケン・ローチ、しかも彼の作品の中では青春ドラマということもあり堅苦しくない方ですし、誰にでもお薦めできる1本です!

SWEET SIXTEENSWEET SIXTEEN


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Sweet Sixteen
2002/イギリス・ドイツ・スペイン/106分
【監督】ケン・ローチ
【出演】マーティン・コムストン/ウィリアム・ルアン/アンマリー・フルトン

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トランスフォーマー/リベンジ スペシャル・コレクターズ・エディション
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トランスフォーマー/リベンジ オプティマスプライム ブラックバージョンBD BOX
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用心棒
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黒澤明監督作品 AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Bru-ray Disc Collection II (7枚組) [Blu-ray]
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地下鉄のザジ【HDニューマスター版】
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攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG Blu-ray Disc BOX 2
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バニシング・ポイント コレクターズ・エディション
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愛を読むひと (完全無修正版) 〔初回限定:美麗スリーブケース付〕
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意志の勝利
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ウルヴァリン:X-MEN ZERO <2枚組特別編>
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黒澤明監督作品 AKIRA KUROSAWA THE MASTERWORKS Blu-ray Disc Collection III (7枚組)
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